From the North Country

商売ベタ 2007年11月27日(火)

  まるで春先の雪解けシーズンを迎えたような暖気で、せっかく踏み固めたガーデンの雪もぐちゃぐちゃでワヤ。
明日までに乾燥してくれるか再びの積雪を願うばかりだ。

今日の午前中に電話があった。
「メス犬でシーズンが終わったばかりなのですが伺ってもいいでしょうか?」
ご丁寧に電話を頂いたのに、客商売に向かず愛想の悪い私はちゃんと受け答えができなかったような気がして心に引っかかっている。

「もう終わっているのですが…伺っても?」と女性。
「始まったのはいつからですか?」と私。
「14日からです」
「今月の?」
「はい、そうです」
「えっ?それはダメです。1ヶ月位は経たないと…」
「えっ?それは生理が終わってからですか?」
「いいえ、始まってからです。シーズンは概ね3週くらいですが、その後も残り香のようなものがあるので…」
「わかりました」
というような受け答えだった。

私は今でもこの女性が発した
「もう終わっているのですが」という言葉が気にかかっている。
仮にこの方が“メス犬の生理”を知っておられるなら『今月の14日から始まった』というのは言い間違いで、本当は『先月』だったのかもしれない。

だが、もしそれを知らず『生理は人間のような期間』とか『出血がなくなったら終わり』とか『生理中は妊娠しないけど出血するからカフェには行けない』などと思っていたのなら基礎知識が乏しすぎるといえよう。

人もそうかもしれないが犬の生理には個体差がある。
年に二回のシーズンを向かえる犬もいればそうでない犬もいるし、本来3週間の期間であっても出血が短かったり長かったりもする。

この女性の愛犬の場合、本当に彼女の言うとおり今月の14日に生理が始まったのなら、統計的には今日は正に排卵日であり交尾にはもってこいのフェロモン全開の状態であるはずだ。
だからご来店を拒否した。

犬の場合、生理が始まって概ね10日から15日が受胎できる状況になる。(個体差がもちろんある。)
外で飼育しているのと室内飼いの場合では生理の始まりを確認するのに数日のズレが生じることもあるから、排卵日について正確を期すならスメア検査というものが必要となるが、これすらも個体の継続検査を数回続けないと確かな結果は出ない。(現在の獣医学ではそうではないかもしれないけれど)

たぶん、電話してきた女性の愛犬は出血が無くなっているように見え、そのことで『もう終わった』と思われたのではなかろうか。

そこまで丁寧にお話ししたかどうか覚えておらず、ともかく「シーズンが始まってから1ヶ月位は…」と答えていたと思う。

『「終わったと言われるのであれば構いませんよ、どうぞいらしてください。」と言うのが商売人なんだろうなぁ。』と後悔しても、後の祭りになってしまう今日の私であった。
 

ペットブームの先にあるもの 2007年11月25日(日)

  今夜のお供は琉球泡盛『瑞泉』
芳醇な香りが口の中で広がり、熟成したまろやかさが舌の上を転がるようだ。
ただアルコール40度なので今夜私の体がいつまでついていけるかが問題。

三連休最終日の今日は暖かな陽光が心地よかった。
20日に降った雪を踏み固めておいたのが奏功し、心配していたガーデンはそこそこ使用可能な状態が保たれていた。

さて、昨日東京から某雑誌のカメラマンがカフェの取材に来られた。
一通りの取材を終えてから雑談をしていたのだが、関東圏でもドッグカフェのような店舗はもちろん存在するのだけれど、『犬もいいですよ。ただし、ちゃんとしてれば…』という普通のお店が増えているということだった。
つまり日本社会は欧米のように広く愛犬を受け入れようとし始めているということである。

ところがだ。さらに話を伺うと
そんなお店が一軒ニ軒と愛犬同伴の入店を元のように断わるようになっているのだという。
理由はしつけとマナーの悪さ。
それ以前に飼い主の意識の低さが根底にあるようだ。

せっかく社会がしつけられた愛犬と飼い主を受け入れようとしているのに

・カフェのような場所では犬の排泄意識と生理現象が変化することを知らない飼い主がいる。
「家を出る前に排泄を済ませてきましたから大丈夫です」
そんな思い込みを持った飼い主ほど
「あら、ごめんなさい。いつもはこんな時間にしないのですけど…」と、いつもの生活習慣に当てはめた言い訳をする。
そんな言い訳を日々たくさんの飼い主から聞き飽きたお店は、『犬は粗相をするものだ』と解釈して再び犬を排斥するというのだ。

・愛犬同伴OKというだけで、「しめた!」と思ったのか、膝に犬を乗せテーブルに足をかけるのを放置し、自分の食べ物を与える愛犬家面した連中がいる。
『この人は周囲の人間がどう感じているかより、自分の現在のシチュエーションが素敵だと悦に入ってしまっている裸の王様』みたいなものだ、と排斥の対象になっている。

・ワンワンと吠える愛犬を口先だけで戒めるだけで、即座に継続的に静かにさせることもできず「うちの犬は男の人(あるいは大きい犬)が苦手で」だとか「黒い犬は怖がるんです」とか、過去に何があったにせよ当事者の相手の男の人や黒い犬には関係ないことを言い訳にして、自分の愛犬が吠えることの正当性を取り繕う飼い主がいると、もううんざりして以後犬は排除したくもなるだろう。

多くの愛犬家の想いに逆行するようなそんな時代に戻したくはない、というのが取材後に感じたことである。

私たちのカフェは『今はお利口でなくてもいいし、どう愛犬に接すればいいか分からない飼い主でもいい』が『社会において受け入れられる愛犬との暮らし』を模索する人々のお役に立てることを目指しているカフェだということを改めて伝えておきたい。

そのように締めくくれば、40度の泡盛『瑞泉』が半分になるほど「私の心は熱くなった」とまとめることもできよう。
 

今夜は箇条書き 2007年11月23日(金)

  1.今夜のお供は北海道ニ世古酒造の本醸造『洞爺湖』。
18日に飲んだ『奥八甲田』と同様に米から作ったのが明らかな糠の香りと酸味が基調にあり、そこから甘さやコクなどで個性を表現しようとしているようだ。
どちらかと言えば熟成タイプではなくボージョレー・ヌーボーのような爽やかさがある。

2.金曜の定休日なのに今日が祝日(勤労感謝の日)でカフェが営業していることを覚えていて来店してくださった方々にまずは心からの感謝を申し上げます。
いつもなら『23日は営業いたします』と1ヶ月も前からカフェに掲示するのに、今回はHP以外での広報はしなかった。
おかげさまで楽しい休日を過ごすことができました。

3.『崖っぷち犬』の報道から1年が経ったそうな。
その後を取材したTVのレポーターの映像が今朝流れていた。
「ヒャー!可愛いですねぇー。こんなに元気で明るくなってますよぉー!」と甲高い声を発しながらわんこに駆け寄るレポーター。
その声にビビリながら迷惑そうに平和をかき乱され斜に構えていた『崖っぷち犬』なのに「人懐っこいですねぇー」とのコメント。
ペットに関しては相変わらず脳天気なマスコミですな。
「よく咬みつかなかったな」と褒めたくなった。
でもやっぱり外飼いなんですね。

4.「先生、この方から『ワンちゃんたちすっごいおりこうなんですね』って言われたんですよ」とUさん。
「猫被ってるだけですよ」と私。
「他から見ればみんなすっごくおりこうさんですよね」と初めてご来店のご夫妻。
他がどうなのかを知るのが怖くなってしまった。

5.息子からメールが今届いた。
「フィンランドから姉ちゃんがメールを送ってるみたいだけど、お父うのところにはうまく送れないらしい。このアドレスに返信してやってくれ」
娘は無事フィンランドにいるようだ。
それだけでうれしい!

以上、おやすみなさい。
 

マジ咬みの苦悩 2007年11月22日(木)

  深夜、外の気温はマイナス9度。
星空が綺麗だから放射冷却でさらに冷え込みそうだ。
夕食の絶品煮込みハンバーグと共に味わったボージョレー・ヌーボーが今カラになって身体は温かい。
サッカー日本代表が五輪出場を決めて心も温かだ。
決定力にかける場面がいくつかあったが『絶対に北京へ行く!』との選手たちの思いが前後半を通じてその動きからはっきりと伝わり、観ていて気持ちよかった。

さて続きは石垣島の泡盛『於茂登(おもと)』を飲みながら書こう。
飲まなきゃ考えたくもないことだから…

今日は気持ちが重くなる飛び込みのレッスンを引き受けた。
「去勢済みのコーギーなのですが3歳になってから急に私を咬むようになりました。
マジ咬みです。
牙が刺さったまま抜けないでとても痛い思いをしたこともあります。
昨日は拾い食いを止めようとしてお腹を咬まれました。これで4回目です。
訓練士さんの前ではそのような素振りは一切見せません。
恐怖心で自宅に帰るのが辛いのです。
抱っこしても、足を拭いたりしても怒ることはありません。
ドッグランではいつも友好的だったのですが、突然他犬に咬みつくことが最近ありました…」

ああ…
愛犬との楽しい生活を夢見て暮らし始めた善良な女性がなんでこんな辛い思いをしなければならないのだろう。

『ちゃんとしつけないからよ』
『あまあまできたんじゃないの?』
『ビシッと、ビシッとしなきゃダメよ』
『犬は群れの動物だから上下関係をしっかりさせてアルファにならないと』…

いろんなご意見もあろうが私は今夜はそれらすべて否決する。
『しつけもせず、あまあまで、ビシッともせず、アルファ?何それ?』という飼い方のどこが悪いというのだ!
愛情だけで育てることのどこが人としておかしいと言えるのか!
そうやってても楽しく愛犬と暮らせている方はごまんとおられるではないか!
本来、法治国ニッポンで堂々と無垢で善意の人々に売られている犬たちはすべて最低限“人は咬まない”犬であるべきなのだ。

厳しいしつけを課す人々は、前の犬で失敗したことに懲りてそうなったのかもしれない。
次の犬は厳しくしなくとも(しなければ)素直に育ったかもしれないのに…。

たまたま最初に飼った愛犬がおりこうだったものから、困ってる他人に対して『育て方のうんちく』を垂れる人もいるはずだ。

『自分がその犬の飼い主だったら最初からきちんと育ててうまくやれたのに』という思いを抱くかもしれないし、『お気の毒に』と同情しかできないかもしれない。

さて、直接その相談を受けた私はどう感じ、何を成すべきなのだろう?
『訓練で治したら。プロでしょ』
もっともなご意見である。
ならば問う。
「犬が飼い主をマジ咬みするという深い根をご存知か?」
「どのくらいの期間で訓練できると思うのか?」
「その間、飼い主はどんな日々を過ごすのか?」
「半年預けて訓練した犬が2週間で元のダメ犬に戻る現実をご存じないか?それが嫌なら強制による訓練もあるが、魂を抜かれたような迷犬になり一緒にいる意味が分からなくなってもいいのか?」

酔っ払いが今夜だけ下した評決は
不幸にもそのような犬とめぐり合い、真に『何とかしたい』という相談を受けた場合は、犬の訓練よりも飼い主のケアが最優先されるべきなのだ。
そのうえで犬を適正に評価し、飼い主自身の手で愛犬を変化させるアドバイザーでありコーディネーターであり指導者であるのが訓練士であると思う。

それは長い道のりだし、飼い主の気持ちも本気でなければならないし、経済的負担もあるし、それらすべてを考えたら重い気持ちになる元訓練士もいるのだ。
そして何故そんな苦労や負担を善良な人に課すのか!と深い憤りを業界に感じてしまうのである。

夏なら夜が明けそうだ。
泡盛も半分に…おやすみなさい。
 

シャキッと行こうぜ 2007年11月20日(火)

  ホンダハイブリッド除雪機ガロアラシ号が今冬初登場の朝を迎えた。
すこぶる快調であっという間に作業は終わった。
もし昨日の寒さだったらガーデンはそのまま根雪になっておかしくなかったが、気温は6度まで上がり雪は雨に変わってすべてを融かしてしまった。

雪国の住人は降雪を覚悟のうえで生活しているもののその時期が遅くなるのはありがたいものである。
今年のように灯油が高騰していると経済的負担も月に数千円から数万円も違ってくるのだ。
一方で『どうせ降ったんなら一気に根雪になってくれ』との思いは強い。
ぬかるんだ道路ほど嫌なものはなく、ある朝から突然銀世界が続き春に一気に解けて乾燥する、というのが理想である。
それに雪が降り積もれば意外と寒さが落ち着く感じがするものだ。
その意味においてこの冬の出足はちょっとつまづいてしまったようだが、そんなにうまくいくことはないはずだから、はてこの先どんな展開になるのだろう。

さて、今日はそんな状況だったからかカフェはさっぱり。
その代わりというか、ありがたいことにお泊り犬で午後から忙しく私は4回、Kは2回の散歩に出かけることになった。
私が1回目の散歩から戻ってくる途中、どこかで大型犬が吠える大きな声が聞こえていた。
カフェに近づくにつれその声がはっきりしてくる。
どうやら初めてお泊りの10歳になるラブが既に到着しているらしかった。

「大変そうです。飼い主は引きずられて入って来られ、引っ張るし拾い食いをするから口輪があればそれをして散歩したほうがいいって仰ってました」とスタッフは笑っていた。
その犬は盲導犬候補のキャリアチェンジで、昔私がパピーウォーカー担当時代に見ていた犬ということだった。
2回目の散歩にと歩き始めてすぐに1度制御しただけだったが、何とも人の良い協会関係の犬であることがわかった。

歩きはいいし、軽い制御に実に良く反応している。
何よりラブラドールらしい『人に対する絶対の信頼性』を根っから持っているではないか。
10歳にもなるこの好々爺に引きずられたり拾い食いで困っているという飼い主はどんな人なのだろうという興味が湧いてきた。

『うちの犬はこうだああだ』という話題はとても面白いし興味もあるから私は夢中になって話してしまうことがあるけど、それは『本来この犬が持っている性格は…』ということであって、日常生活に支障あることは当然飼い主自らが排除し、正しい生活習慣を教え込んだうえでの話題として楽しんでいるつもりだ。

でも思い起こしてみれば多くの飼い主は、ただ単に飼い犬の性格や行動に振り回されていることの現実を前提に『うちの犬はこうだああだ』と話していたのではなかろうか?

それぞれの犬にはイヌとしてあるいは犬種特性としての行動や感性があるのは当たり前。
それをどのようにコーディネイトするか、つまり飼い主は何が現れるかを期待するのではなく、どう育てるか自らが考え行動しなければ『犬は育たない』ことを知るべきなのだろう。

因みに私なんぞはガロアラシ号にさえ、
「いい子だ、頑張ろうぜ!よし、よくやった。」と言葉をかけ、メンテナンスも行いながら、作業が終わった時には寒空に放置している。
私が嫌いなのはぬかるみのようにドロドロした中途半端な状態であり、それはガロアラシ号も最も苦手としていて、故障もあるし自分の魅力を発揮できないと嘆いていることなのだ。
 

娘よ 2007年11月19日(月)

  雪こそ積もらなかったものの寒さは半端じゃなかった。
真冬日初日ということに驚くより最低気温の低さというか空気の冷たさにあせってしまう。
そんないきなりの寒波だった。

幸いカフェには明るい日差しが降り注ぎ、ストーブの暖かさに包まれてのどかな時間を過ごすことができた。

「お父う、海外に旅行に行こうと思ってる」
娘がそんなことを言ったのは初夏の頃だったろうか。
デザイナーの卵として働き始めて数年しか経っていない。
「仕事は?」
「今の会社は辞める」
「ふぅーん。なんか目的でも?」
「いや、べつに」

三人の子供の中で一番しっかりしている愛娘だし、なにより私は子供たちが何かを始める時(普段のしつけのことは別にして)「それはダメ」と言ったことがない父親だ。(過去には思春期の娘に対して一度だけあるが…)
勿論、親として心配なのは当然だからいつもネガティブな質問ばかりして「お父うは反対ばかりする」と誤解されることもあったが、基本的には自分の考えで行動することには賛成であり、ネガティブなことを言うのは本人の本気度とそれなりの心構えと準備ができているのかを確認するための親として当然の作業だった。

その娘が今日次男と一緒にカフェにやってきた。
「はい、これ」と渡された旅程表を見て私は目を疑った。
初めて海外に出るというのに、そこには53日分の大雑把な行程が書かれてあったのだ。
「こんなに?」
「そう」
「ツアーか何か?」
「いいや」
「誰と?」
「ひとりで」
「英語話せたっけ?」
「いや。まあ少しはね」

フィンランド・スウェーデン・オランダ・ドイツ・チェコ・イタリア・スイス・フランス・スペイン
まあこれだけ周るのなら53日ではなく53年少なくとも53ヶ月でも必要だと思われる国名が並んでいたが、紛争国が含まれていないことに少しホッとした。

「たぶんトラブルがあってこの通りにはいかないだろうし、その時はアレンジすることになるけど何とかうまくやってくるよ。携帯は持っていかないからインターネットカフェがあればメールする」
娘はそう言ってくれたが、旅の途中で誰かの為にお土産を買ったり家族に連絡することほど面倒に感じるものはないことを私は充分に知っている。

私の専門は犬であるが、長い目で見れば人間の血も争えないことを改めて感じ始めた。
明日の天候が穏やかであることを願い、
『Otou,genkika? Sana wa ma-ma-』
そんなメールすら娘には負担であることを知りつつ心待ちにする日々が続きそうだ。
そして来年1月11日に無事帰札できることを心から祈り続けている。
 

個性というもの 2007年11月18日(日)

  今夜のお供は青森県おいらせ町の純米酒『奥八甲田』
地元米を使用したさらりとした飲み口のお酒で軽い酸味が心地よい。

昨日からお泊りの柴犬海斗君は生後3ヶ月半の頃カフェにやってきた元マジ噛み犬だ。
普通3ヵ月半なら甘噛みで出血させられるものだが彼はマジ噛みで出血させていた。
そのうえ非常に過敏で触るだけでギャンギャン鳴き、抱き上げると町内に響き渡るような悲鳴を上げるものだから、誤解した人から通報されないように人里離れた場所でレッスンを行ったものだ。

あれから2年。
今ではすっかりカフェの人気者で遊び心もある安心できる柴犬に育った。
ただ過敏さと仰々しさは相変わらずで、拘束されることや叱られることにはギャーギャーとこれまた知らない人には誤解を与えそうな声を出すのが気になっていた。

そこでもう2歳も過ぎているので、この声が癖になっているのか、あるいは甘やかされていい気になっているのかを確認し、できれば今回のお泊りで解決を試みようと考えていた。

その結果明らかになったのは、飼い主のHさん家族が受け入れなければならない“海斗の個性”だった。

彼はこの2年間で両親から受け継いだ『過敏なまでの自己防衛本能』の中から『攻撃性』を封じ込める自制心を獲得した。
それはレッスンやカフェにおける社会性の醸成が背景にあったであろうけれど、何よりもHさんご家族の愛情と接し方がその成果をもたらしたのは間違いない。
しかし彼の脳には自分ではどうしようもない過剰な感受性の血が流れており、決していい気になって仰々しい悲鳴を上げているのではないことと攻撃性の抑制が確かなことが今回分かった。

もちろん、だからと言って物分りのいい親になって彼の悲鳴や唸り声を放置するのではなく、今までどおり「海斗、うるさい!大袈裟なんだよ!」と言い続けることは必要である。
ただ心の中で彼の精一杯の悲鳴を笑顔で受け入れ、年と共にどんな変化が現れるのかをHさんとこれからも一緒に楽しみながら見つめていたい。

夜のガーデンはマイナス5度にも下がっていた。
日中ならリードをつける時にウーと唸るのが挨拶代わりになっている海斗だが、今夜ばかりは早く寝ようと黙って繋がれていた。
 

一本の焼酎から 2007年11月17日(土)

  今夜のお供は宮崎県高千穂町の『東国原(ひがしこくばる)』
お土産に頂いた芋焼酎で有名な知事のそのまんまの苗字が冠せられ、似顔絵入りの意匠札がぶら下がっている。
20度数なのでそのままスルスルと喉を流れていく感じがよい。

高千穂はこれまでに3度ほど旅したことがあり、あの渓谷美と厳かな岩戸はいつまでも心に残っている。
それとは別に高校生の時には当時駅前にあった『小僧寿し』を食べ、その安さと美味しさに感動した記憶がある。
以後、若い頃の寿司といえば『小僧寿し』であり、貧しくとも「寿司を食べた」という満足感を得ることができ大変世話になった。
小僧寿しとマルちゃんのしょうゆラーメン。
このふたつの組み合わせは抜群で、食後にさえ「よし明日もこれでいこう!」と思ったものだ。

5年前の高千穂はずいぶんと観光地化がすすんで風情がなくなってしまったが、北方町から向かう途中にある青雲大橋に立った時には140メートル下の谷底に足が震えたことを覚えている。
ところで私が見逃してしまった駅前にはまだ『小僧寿し』が残っているのだろうか?

あの旅の途中でいろんな人に出会ったが、なかでも癌の告知を受けながら自分の趣味である全国の美術館巡りをしていた男性のことが印象深い。
定期的な治療の合間をぬって車での一人旅はどんな想いで続けておられたのだろう。

今度私が旅に出る時は一人じゃないからまた違った視点で物事を感じることができるはずだ。
その時にはどんな出会いがあり何を感じるのかを今から楽しみにしている。

土産に頂いた一本の焼酎が旅の思い出を蘇らせ、これからの旅への欲求をかきたててくれた。
 

全国初!北海道動物愛護条例? 2007年11月14日(水)

  今日から冬のはずだったが一日分おまけの秋をいただいた。
明日からが冬だそうな。

気象予報も自由化されたらしく以前の大本営発表のようにどのチャンネルを見ても同じというわけではなく、どの局を信じるか我々が試される時代である。
膝と腰に爆弾を抱えている私なんぞは地域のお天気おじさんにうってつけかもしれない。
まあ、今夜は膝に痛みを感じないから明日はそこそこ穏やかな曇りで晴れ間も見えるのではなかろうか。
予報とは正反対今流で言えば真逆?の予想なのだが…

さて、今夕の道内ニュース番組で動物管理センターに収容されているゴールデン・バーニーズ・柴・Mダックスの姿が映し出されていた。
顔がはっきり映っていたのでセンターへ持ち込んだ人間(とは思えない)が見ていたならすぐにそれと分かっただろう。
いろんな事情があったにせよどんなに酌量しても許せるものではない。
捕獲したのではなく『持ち込まれた犬たち』がテーマだった。

最近ではMダックスが増えているという。
持ち込まれた犬は法律上センターで引き取らねばならぬという。

そしてもうひとつのテーマが、“北海道は今後10年で殺処分されるペットの数を半減させる”計画を立てたということである。
その具体的方法として
1.マイクロチップ装入を促進して迷子犬を飼い主に戻す
2.譲渡先を探す
3.購入時の避妊手術を推進する
などらしい。
「責任を持って最後まで飼えないなら、飼わないというのも(が)動物愛護です」とアナウンサーはコメントしていた。

だが、本気で半減させたいならもっと効果的で10年もかからない方法があるじゃないか、と私は思う。
センターに持ち込まれる犬が実はどこから来るのか調べ公表すればすぐにでも4割程度を減らせるのではなかろうか。
私がアナウンサーなら『最後まで面倒を見れないのなら、ペットショップで犬猫を販売しないというのが最大の動物愛護です』と言うだろう。

道はまず実態調査をすべきである。
ショップ名を明らかにして持ち込む良心的?業者がいるのか知りたいし、法を逆手に取って『センターは持ち込まれた犬を引き取らねばならない』と開き直っているのかも知りたい。
個人を語って持ち込む業者もいるだろうし、『捨て犬を捕獲した』とうそぶく輩もいよう。

いずれにせよ先ずは実態を知りたいし公表して欲しい。
ペットショップ関連の犬猫が年間どれほど持ち込まれているのかを。
天気のような予想ではなく実態を明らかにすべきである。

そのうえで相当数が確認されたなら、北海道のペットショップでは身の毛もよだつ生体陳列販売を禁止するという日本初の条例を制定し、業種保護のためには例えばビデオや映像などの情報に基づく予約販売制とすればよいだろう。

安易にペットを飼って捨てる人間を戒めることも大切な啓発だが、ショップに幽閉され無垢な眼差しに“今そこにある命”を感じてしまう人の優しさを食い物にする制度を改めることこそ行政の成し得る行動であり責任であると思う。
 

冬支度 2007年11月12日(月)

  「明日13日(火)が今年最後の秋(晴れ)で明後日から冬になる」と何とも明快な天気予報が流れていた。
そこまではっきり言ってもらえると大助かりだ。
明日は陽射しのあるうちにガーデンの遊具やテントそれにテーブルを片付け、除雪機ガロアラシ号を車庫から出して点検しておこう。

去年もそうだったが11月のカフェは土日といえども閑古鳥が鳴く暇な月である。
漬物や雪囲い落ち葉掃除など冬支度をしなければならないし、3時過ぎにはもう薄暗くなり始めてしまうからだろうか。

でもそんな日もまた楽しく、スタッフはカラー(首輪)のディスプレイをいじくったり、ゆっくりとお客さんと話をしていて、よく聞くと子育てのこととか娘を嫁に出す話にまで及んでいてドキッとさせられることもある。
そういえば4年前のオープン当初は犬の育て方やしつけ方それに失敗談や心構えなど犬談義が多かったけれど、最近ではすっかり落ち着いた犬たちは床に伏せて、人間たちの家庭談義などを子守唄にしているようだ。

だがまあ、いつまでもヒマな11月であってもらっては困るし、カフェに刺激を与えるうえでももし来年まで覚えていれば『11月は無料愛犬講座の月』として新規顧客開拓と犬談義復活の計画を立てよう。

っていうか明後日からでもそう心がけよう。
何故明日からじゃないのか?
Kのマーチのタイヤ交換もあるし、冬支度で忙しいから…
 


- Web Diary ver 1.26 -