From the North Country

久しぶりの解放感 2008年01月08日(火)

  「このままじゃ終わらないよね」
「ええ、いつかきっとドカ〜ンとね」
「終わってみれば帳尻はあってるってことなんでしょうね」

今年の雪の話題である。
この冬はまだ2〜3回しか降っておらず、道路に雪はなく公園なんかにも30センチ程度しか積もっていない状況だ。
山の方では結構降っているのでスキー場は困ってないようだし、それなら夏に渇水になるようなこともあるまい。
だからつまり誰も迷惑してないから、この冬はこのまま少雪で終わって欲しいけど、そうはいかないのではという懸念を人々は経験上感じているのだ。

『少雪だから雪祭りの雪像の雪を山間部や郊外から輸送しなければならない』とか『暖気で雪像が解け始めた』なんてニュースにも最近では誰も驚かなくなってきた。

ということは、札幌の本格的な降雪は雪祭りが終わった頃からがピークになるというのが最近の庶民感覚における“平年並み”なのでもあろう。
どうやら雪かき勝負は2月のようだ。

さて、カフェのお泊り犬勝負は今夜で無事終了!
年末から続いたお泊りわんこたちの最後の1頭を無事にお返しすることができ、重圧から解放され言いようのない安堵感に浸っている。
『ご苦労様でした』とKとアモそして自分に言葉をかけた。

個人的には残念ながら、経営的には有難いことに(予想どおり)明後日からの定休日にもお泊り犬が入って遊びに行くことはできなくなってしまったが、それは通常のお泊りで年末年始のお泊りとは重圧感覚が違うことに気づかされる。
正月ではないいつもの1年が始まったという感覚だ。

今日のカフェでは切実な相談もあり、そのプロファイルやそれに対する私の考え方・対処法などをこの欄に紹介することが私の使命であると承知しているが、今夜は難しいことは無しにしたい心境を軽く書いてみた。
新潟の酒“お福”純米大吟醸(氷温生貯蔵原酒)が旨い。
 

初夢か 2008年01月06日(日)

  昨日今日とたくさんの皆様にご来店頂きありがとうございました。
カフェでは土日と平日のお客様が違っているので、今週一杯は「あけおめ・ことよろ」の挨拶が飛び交いそうだ。
ありがたいことと感謝しております。

新規の方は僅かに3組だけであったが、それぞれマルチーズ・キャバリア・ボーダーのみんな仔犬たちだった。
『楽しく暮らせる家庭犬』を望まれるならこれから1年程度はカフェに通ってくれるといいのだが…
そんな風に思っていたら、さっそくボーダー2頭の飼い主さんから来週のレッスン依頼があった。

生後5ヶ月に満たないオス・メスの小柄な可愛らしいわんこ達だった。
飼い主の方から「相談がある」というので話を伺っていたら、いつの間にか私の独演会が始まった。

「どういう暮らし方をお望みで?」
「それがまだ、よく…」
「なるほど。ボーダーは普通の家庭犬にするには難しい犬種です。彼らは見事に使役犬としての血を受け継いでいます。本来は牧羊犬ですが現在ではアジリティやフリスビーなんかにその能力を発揮しています。家庭でもボール遊びなんかをすると異常なほど夢中になってませんか?」
「そうなんです。特にオスの方は目が変わるというか…」
「そういう目的でボーダーを選ばれたのですか?」
「いや、そういう訳では…」
「外をご覧なさい」と私はガーデンのボーダー2頭を指差した。
「今は遊んでいるように見えますが、2頭であのビションに対抗しています。まだ仔犬だからあの程度ですが、6ヶ月を過ぎる頃からあの二人には群れとしての意識が顕著になってきて、場合によっては排他的になったり、こういう場所でボール遊びをすると独占欲が出てきて喧嘩になることも考えられます」
「え!そうなんですか?」
「あくまでも可能性です。ところで、繁殖の予定は?」
「いや、まだそんなことまで…」
「もし普通の家庭犬をお望みなら、オス犬の去勢をあと2ヶ月以内にするべきでしょう。もしかかりつけの獣医さんが『1歳過ぎてからのほうが…』などと言われても、去勢をお願いしたほうがいいですよ。」
「え?どうしてですか?」
「犬に育てるつもりがイヌになってしまう確率が高くなるからです。ここにいる避妊・去勢した犬たちは犬として遊んでいるのですが、そこに未去勢のオスが加わるとイヌとしての性的な行動が入り込みトラブルの元になります。もう1頭のメス犬には数ヶ月で生理が始まります。少なくともその前にオス犬の去勢をするべきでしょう」
「なるほど。ところで今、他にすることは?」
「社会経験と社会性を身につけさせることです」
「つまり…具体的には?」
「散歩です。散歩の中で世の中を見せ、怪訝なもの・不安なことを取り除き、良心的に物事を感じ取れるようにすることです。」
「実際どのように対処すれば?」
「言葉での説明が難しいのでまずは何度かレッスンを受けると良いでしょう。犬を訓練するというより、自分がどのようなことをすれば良いかが分かると思います。」
「じゃあ、来週の土曜日からお願いできるでしょうか?」

そんな話をしているうちにクスッと笑いたくなった。
まるで新宿の霊感商法的なキャッチセールスじゃん!
相手の不安を掻き立てて話に興味と不安を抱かせ、まんまと高額の商品を掴ませる…

そうか!
カフェに足りないのは、まんまと掴ませる“高額な商品”なのだ!
『あなたの愛犬の未来には不穏な影がある。この壷にドッグフードを入れて毎日食べさせれば、あなたと愛犬の将来は満たされるぞよ』とやればいいのだ!

3日の夜に麻雀をしながらほとんど飲んでしまったが、頂き物の壷入り焼酎“黒正春”が思い起こされた。
味と香りは抜群だったがそれ以上に壷が立派に見えた。
あれ使えるかも…
そして今夜のお伴も鹿児島の芋焼酎“蔵の宿六”(かめ壷仕込み)
こちらもグーだ。
「うっふっふ。おまえも悪よのぉ、越後屋」
「何を仰いますお代官様。でへ、でへ、ぐぇっへっへ」

新年早々、私は一体何を書いているのだろう!
 

明日から営業! 2008年01月04日(金)

  えぇ〜?もう9連休終わっちゃうの?

夕べのどんちゃん騒ぎを除き、休んだという実感がない。
いろんなお泊り犬に囲まれて面白いとはいえ、そこは預かりの責任があるから、わんこ達の散歩と管理に体力と神経も使うし、それに加えて飲み疲れが溜まった9日間だった。
左の足腰と内臓が痛み、疲れたぁというのが実感だ。

明日5日からカフェは開業。
5日間頑張れば今度は本当に休養できる定休日がくる、はず。
頑張るぞ!

なんていいながら明日からいつもの楽しい日々が始まるから私の体力気力はすぐに回復するのは間違いない。
なにせカフェの仕事は元気の源なのだから。

去年はここ数年になく体調が良かった。
膝や腰の障害を温泉ヨガとS治療院で悲鳴を上げさせられることで未然に防ぐことができたからだ。
今年もそれは継続しようと思う。
我が家の愛犬アモの足の状態も今がベストと考えるべきだろう。
だから今年は去年から徐々にやり始めたアウトドアを思いっきり楽しむ年にしてみたい。

仕事の方では、『暮らしやすい家庭犬』を真摯に模索している人々を積極的に応援していきたいと思っている。
何故か?
この4年の間にたくさんの仲間たちが増えてきて、みんな以前とは違う愛犬との生活を楽しむようになり笑顔が明るいからだ。
そしてそれは、私の犬と飼い主に関する考え方や指導法が誤りではないという自信にもなっている。
だからもっと仲間が増やせそうな気がする。
ため息が出るほどエネルギーが必要なのだが、何とかそこを喜びに繋げていけたら…と思う。

生活を楽しみ仕事を頑張ります。
今年も皆様の
・カフェのご利用
・愛犬美容室のご利用
・ドッグフードの購入
・おやつ、サプリ、首輪リード等物品の購入
そしてそこそこのお泊りをご利用いただいてカフェを応援してください。
本年もよろしくお願い申し上げます。
 

2008年元日 2008年01月01日(火)

  明けましておめでとうございます。

朝から快晴の札幌でした。
パジャマの上にダウンを羽織ってわんこたちを排泄に出すことからいつもの新年がスタートしました。
駐車場からは散歩をさせている人々の姿が見られ、犬飼いには盆も新年もやることは決まっているようですが、気持ちよさが違っているように感じられました。

お泊り犬たちは大晦日からの寝不足もあって、遊んだ後の日中は驚くほど静かに午睡をむさぼっておりました。
目が覚めてから手入れの悪いスケートリンクのような道路を犬たちと散歩しましたが、今日は転びませんでした。
年末宝くじは10万円から3億円まで3枚のくじが4ケタまでは揃っていたのにあと2つが違っていて悔しくもありましたが、年々大当たりに近づいているようです。

Kは夕方から3人の子供たちが揃ってくれたのを心の底から喜んでいたようで、こちらは大当たりだったようです。
明日は私の次男がお年玉を取りに来てくれることになり、長男は東京で『Qさま』の仕事にいそしみ、娘はフランスで新年の様子を楽しんでいるはずです。
それぞれの年が明けました。

夜遅く「起きて!トイレに出すよ」というKの言葉で目が覚めたときは、既にほとんどのワンちゃんたちの排泄はKが済ませてあって、私はMダックスのメリーを抱っこしてガーデンに出ました。
そしてぶったまげて大喜びしたのです。
真っ白な大雪が静かに降り続いておりました。

明日は除雪機ガロアラシ号の初仕事となり、これでみんなが揃い我が家の新年はスタートです。
 

年末のご挨拶 2007年12月31日(月)

  大掃除も終わった。
しめ飾りも、小さいけれど鏡餅も飾った。
夕方の散歩では右手にアモ、左手にサモエドのラブがエスコートしていてくれたのに思いっきり見事に滑って転んでしまった。
尻餅をついたままの私にラブがぺろりとホッペを舐めてくれた。
右手のひらが氷で少し切れたけど、楽しい散歩だった。

食べきれないほどカニも食った。
酒もそこそこに飲んだ。
そしてさっき仕上げの年越しそばもご馳走になった。

周りにはいろんな犬種の犬たちがはべっている。

年越しの準備は整ったようだ。
あとは今年逝ってしまった仲間たちを想い起こし、何故自分が生かされているのかを考えるだけである。

皆様、今年一年大変お世話になり心より感謝申し上げます。
来年もよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。よいお年を。
 

酒タバコ犬の三重苦 2007年12月30日(日)

  合法的に酒を飲んでるのに
『この酔っ払い!』
『オヤジ!エロじじい!』
『飲酒運転すんなよ!』と、
ひっそり法にも触れずにまじめに生活している人間が白い目で見られる社会になってきた。

人目を気にしながらタバコを吸えば
『それでも文化人か、人間か!』
と有言・無言の非難を日々感じるようになり、フランス人こそ喫煙者の権利を守ってくれると思っていたのに、来年からかの国でも相当な規制がかかるようだ。
『フランス人にそんな規制が通用するわけがない』と思い込んでいる私には、フランスのその後が気にかかっている。

中途半端なことはするな!と主張したい。
いっそうのこと酒やタバコの販売は違法とすればいいじゃないか。
合法だから販売され、それに惑わされて私はたしなむようになり、その結果において非難する人間たちとの共存を余儀なくされて共に苦しんでいるのだ。

次には京都のある寺が『犬の散歩禁止』を通告したというニュースが入った。
境内にある柱が犬の放尿で変色し、放置便の回収量が棄て置けぬ量になりつつあるからだという。

酒を飲めば人は酔う。
タバコを吸えば煙を出す。
犬を飼えば排泄をする。

『違う!
酒とタバコは必然だけど、犬の排泄問題は人間性の問題でしょ。』
と、主張される方もおられることだろう。

本当に別次元の問題か?
日々の暮らしの中で『まぁ、いいっか』という普通の人間が思い込んでしまう根源においても、それは別次元と断言できるのか?

何も考えず理性を捨て去り、状況に流されてしまうと、人は『酒・タバコ・犬』に代表されるような身近で表現しやすい問題を社会の一大事にすり替えてしまうのではないのだろうか?

ある人は普段堅物であっても、酒が入ると親しみやすくなったり、ここではタバコを吸えないことに気を揉む人を感じたり、愛犬との散歩で周囲に配慮するはたくさんいるのに、それら全部をひっくるめて否定されると人間として反発の感情が起きてくるものである。

飲酒運転はよくないし、喫煙も迷惑だし、犬の排泄をよく思う人はいないことは充分に知っている。
今夜は充分にお酒を頂き、普通にタバコも吸っている。
なのに、なぜこんな風に思ってしまったのだろう。
100年前と100年先そして今を考え、普遍の意味を考えてみたくなった。
 

年の瀬に大雨 2007年12月29日(土)

  朝からの雪が昼前には雨に変わった。
それも本格的な雨だった。
が、北海道に住む人間は本能的に朝のうちに積もった雪の除雪を始める。
放置すれば夜には凍結し、ガタガタに荒れた地面が翌日からの生活に支障をきたすことを経験的に知っているからだ。

ところが明朝の最低気温はプラス1度と予報され、今日の雨も驚きだったが、明日には道路から雪すらもなくなっているのではと興味津々である。

「半分だけやるか?」
「何言ってんの、全部やろうよ!」
そんなKの意気込みに乗って、今日はクレンザーを撒いたカフェの床をデッキブラシで私がゴシゴシ擦り、Kが綺麗に拭き取る大掃除が展開された。
大迷惑なのはお泊り犬たちである。
こっちへ移動、あっちへ移動と昼寝をする暇も与えられなかった。
何しろ外は大雨だから室内での移動を繰り返すしかなかったのだ。

そんなわけで夕食後には犬たちはグーグー眠り、腰が重くなったKと私も夜中まで気づかず寝てしまった。

深夜のガーデンはシャーベット状態で、長靴の埋まり具合から意外にも雪が深いことがわかった。
4頭のお泊り犬たちはさっさと排泄を済ませると2階へ駆け上がり、完全におやすみモードに入っている。
みんなお泊り経験のあるわんこ達で手がかからないのがありがたい。

明日から元日までがピークとなるが、明日でトリミングも終わり、残された部屋の大掃除さえしてしまえばいろんな犬たちと遊べるわけだ。
できれば雨だけは降らないで欲しい。

「そうだそうだ、雨のせいで今日は散歩にも行けなかったのだぞ。
そもそも年の瀬に雨とは何事ぞ!
雪にせんかい!」
今日最も不満顔だったのは我が家の愛犬アモのようだ。
 

2007年カフェの営業終了にあたって 2007年12月26日(水)

  本日カフェは2007年の営業を無事楽しく終えることができました。
この一年を支えてくださった皆様に心からの御礼を申し上げます。
ありがとうございました。

さあ、明日から9連休だぜい!
と、そんな風に喜べるのなら嬉しいのだが商売柄そうはいかないのが辛いところである。
30日まではAsamiちゃんに頑張ってもらってトリミングの営業を行っており、その間私たちはカフェの大掃除をすることになっている。
そして大晦日から元日がメインイベントで、お泊り犬8頭を狭い居間のどこにどう配置し、私たちはどこでどうやって年越しを迎えればよいかを考えなければならないのだ。
忙しくも楽しいったらありゃしない!

預かり犬をケージに入れてその吠え声や罪悪感に悩まされるより、犬まみれで元旦を迎える方がずっと私たちには合っている。
私にとってはそれが数十年来の“日常”でもある。
とはいえ、そこはお預かりのワンちゃんたちだから相当の注意義務があり、正月は配慮と気配りが求められてもいるのだが。

それでもやはり元日は階下のカフェとガーデンで犬たちと無邪気に過ごすことになるだろう。
そして毎年思うのだ。
『こんな生活も大いに“あり”だな』と。

今夜のお泊り犬ゴールデンのウィンディを見るとほのぼのとしてくる。
初代看板犬スーの姪の子供であり、現在の看板犬アモの姪に当たるのだが、その所作のひとつひとつがスーを想い起こさせ、ふと見る姿がスーの面影どころかそのもののように感じられる瞬間があるのだ。
一日遅れのクリスマスプレゼントを頂いたように嬉しく寂しい。

Kもそのことに同意し「スーみたいだね」と言ってたのに
先程、ウィンディの寝姿を見た私が「見てごらん、スーがいるよ」と言ったのがマズかった。
「スーじゃないもん。スーはもっとスーッとなってポコンっていう顔してたもん。」と頑なに受け入れようとはしなかった。
思い出になりつつあるスーではあるが、あからさまな表現をした私が悪かったのだ。

いろんな出来事と思い出のある2007年だったが、ともあれ今日でカフェの営業は終わった。
 

北の国のクリスマス 2007年12月25日(火)

  余程緊張があったのか二日間のクリスマスランチを提供し終えたKは夕食後から眠り続けている。

夕方のアモとチェス(ハスキー)の散歩は、日中仕事らしい仕事をしなかった私が引き受けて、凍った道で転ばないように住宅街を抜けていった。
いつもの広い空間で360度見渡し、誰もいないのを確認して二頭を放すとチェスは私の意思どおり一気に80メートルほど走ったもののまた一気に戻ってきて、あとは私の周りで適当に身体を伸ばしたりし、アモは相変わらず雪の上でゴロンゴロンしていた。

50分ほどの散歩を終えて帰宅すると、楽しみにしていたクリスマスディナー。(もちろん人間の)
アモには夕べのイブにグラム420円もする香ばしい馬肉料理を奮発したから今夜はチェスも定番フードプラスアルファ。
いくら“みちのく赤鶏”の味が良いと聞かされても鶏肉を食べない私は今年のクリスマスランチを食べていなかった。
そこでKが作ってくれたのが大好きなハンバーグで、それをランチのソースに絡めてくれたのである。
悪いけど(誰に対してかと問われても困るが…)申し訳ないほど旨かった。

昔、北海道神宮の前にワラジのように大きい1ポンドハンバーグを食べさせてくれるレストランがあった。
盲導犬取得の最終段階での訓練で協会から10キロほど離れた神宮までを使用者と歩き、そのレストランで昼食をするのが楽しみだった。
まだ20代だったからぺろりと平らげたが、今夜はあの頃の量を越えたかもしれない。

私も一眠りし、重くて動けなかったお腹の中がこなれてきた頃、わんこたちをガーデンに出した。
驚いたことに、何とも綺麗なホワイトクリスマスの夜がそこにあった。
柔らかで真っ白な雪が空から舞い降りて、辺りは見事に白に染まっていた。
どんなに暮らしは大変でも都会では絶対に味わえない白と静寂の世界があった。
カフェのポーチに出てみると、点灯したままの雪だるま人形に光るイルミネーションが静寂に解けこんで美しかった。

「ふゎぁ、いくらでも寝れる」
そう言って背伸びをしながらKが起きてきた。
食器を洗いアモとチェスにビスケットを与えたかと思うと「おやすみ」と言って寝室に戻っていった。

「カニ・かに・蟹!訳ありおせちが16800円だって!」
寝たと思ったKが突然やってきた。インターネットを見ていたらしい。
「よし、買え!」と私が即答するとすぐにいなくなった。

今夜のお伴は宮崎の焼酎。
ラベルには可愛いお地蔵さんがふたりでニコニコしあっており『ありがとう、あなたがいてくれたお陰です』と書いてあり、裏を見ると本格焼酎「桐之桃山」とあった。
 

いいではないか、それでいいではないか 2007年12月23日(日)

  今年のカフェの営業も残すところあと3日となった。

Kが予約しておいたクリスマスランチの食材である“みちのく岩手の赤鶏”を買うため、昨夕札幌の中心部方向にある肉の専門店まで出かけてきた。
久しぶりの渋滞に都会のパワーを感じたが、よく見ると多いのは車ばかりで人影は少ないし街の明るさにも勢いがなく北海道の景気の悪さを感じてしまった。

でも、それで北海道はめげることなんてひとつもないと思う。

なんで毎年右肩上がりの成長を続けなければ倒産するような会社や企業を作ろうとするの?
そもそもそんな前提がおかしいことになんで誰も異論を唱えないの?
投資マネーなどという自分で汗水垂らさず、生産性や技術や知識もない人間たちの強欲に満ちた汚れた金に躍らせれ利用されながら、限られた自分の人生を何故そんな奴らの観念と同じように送ろうとするのか私には到底理解できない。
短期的短絡的にでも一代で財と名声を築きたいとでも思っているのだろうが、行く末の儚さと空しさをまだご存じではないのか。
トップに立つ人間たちは『諸行無常・おごれる者久しからず』を『負け犬の遠吠え』以外に何と学んできたのだろう?

Kは昨日の閉店後から今夜も休みなくクリスマスランチの仕込を続けている。
儲けなんて知れているのに「みんな優しいお客さんばかりだね。私、うれしいよ」と対面キッチンの向こうで今私が何を書いてるのかも知らないで話しかけている。

今日は我が家の愛犬スーの命日だから、いろいろ思うところもあるのだろう。
そんな風に感傷にふけっていたら
・私、年内に美容院に行くからね
・リンのお姉さんにまたネールアートもしてもらいたいな
と向かいのキッチンでボソボソ言っている。
「いいね。行ってきたら」と私はちゃんと応えたのに
「ねぇ、こっれて労働基準法に違反してない?」と水仕事をしながらまだぶつくさ言っている。

そんな庶民の生活に“右肩上がり”という言葉なんて無用なのだ。
丁度の生活に喜びと感謝を覚えれるからいつも幸せを感じていられるのだと思う。

『だから国際競争力に負けてしまうのだ!今がチャンスなんだ』と言われても
『争うから、富ばかりを求めるから負けると感じるのだ』としか言えない。

『いいではないか、それでいいではないか』
この言葉が今年の私の大賞である。
 


- Web Diary ver 1.26 -