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アカシアの花が満開を迎えようとしている。 深夜ライトアップしたガーデンはまるで夜桜中継のような神秘的な美しさを醸し、1年のうちで最も輝いているように見える。 金曜日の早朝にたっぷりの雨が降った以外、もう何週間も晴天が続き、朝夕は肌寒いほどに心地よい。 果たして喜ぶべきなのか、猛暑の前兆として憂うべきなのか?
お泊り犬がいなくなった閉店後、私たちは久しぶりに 車で数分の平岡公園まで出かけ、ゆったりとした散歩を楽しんだ。 人影まばらであったが、その中に明らかに犬の訓練士と思われる人を数ヶ所で見かけちょっと嬉しくなった。
彼/彼女たちの目は真剣でしかも優しかった。 何で困っている犬をどのような方法で訓練しようとしているかの意図もはっきりしていて、それぞれに成果を挙げているようにも見えた。 私たちを見つけると、都合の良い訓練対象に出会えたかのように手元の犬に集中しながらそれぞれの対処法を試みていた。
そのような彼らを見かけるということは、依頼者がいるということであり、『犬には基礎的な訓練を行う』という考えを持った飼い主が増えていること、何より訓練士のそばに飼い主がいて適切な取り扱いを実践しながら学んでいることがすばらしいと思えた。
犬を飼っていない方が街を歩いている時、無作法な犬や無頓着な飼い主と出会えば不愉快に感じることもあるだろうけど、無作法な犬でもそばで真剣に教えようとしている訓練士と、それを学ぶ飼い主がいたなら『頑張ってね。いい子になるんだよ。』と優しいまなざしを向けてくれるものだ。 それは私が盲導犬の訓練をしていた時に確信したことでもある。 初めてバスや地下鉄に乗車する訓練犬の中には戸惑いを見せる犬もいたのに、周囲の方は皆微笑みを持って受け入れてくれたし、『頑張るんだよ、新米ちゃん!』と訓練中の私たちに募金しようとする方もおられたものだ。
おりこうなワンちゃんはそれでいい。 そうでないなら、世間から避けるように生きるのではなく、要するに頑張っている姿勢を示すことこそが大切なのだと思う。 もし、数ヶ月先にその結果を示すことができれば最高である。
枯れ枝のようにみすぼらしかったニセアカシアが今満開を迎えようとしている。 あなたが愛した犬ともそんな満開の思い出がいつまでも記憶に残るような暮らしを共有してみてはどうだろう。
私は枯れ枝のようなニセアカシア状態だけど、若い芽吹きがそこここに点在している。 育て方の基本を学べば、次の愛犬育てに生かせるし、その姿を子供たちも見ているはずだからさらに次に発展させることができる。
夜遅く普通の人たちは外に出ることも無く眠りにつく。 犬を飼っているからこそ満天の星と闇の静寂、ひんやりとした空気を体感できる情緒豊かな時間を日々感じることができるのだ。 私たちは愛犬から様々な恩恵を受けていると思う。
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