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動物の愛護及び管理に関する法律が2年前の平成17年に改正され、動物取扱業が届出制から登録制に変わった。 我がカフェも愛犬のお泊りやレッスンを行っているので規制の対象となり5月末日までに手続きを行わないと営業できなくなる。
そこで動物管理センターのホームページにアクセスして詳細を調べてみると、登録手数料が15,000円もかかることが分かった。 しかも1業種それぞれに手数料がかかるというから、カフェの場合はお泊りとレッスンで3万円必要となるというのだ。 パソコンをいじって登録する手数にそんなにお金がかかるものだろうか?とちょっといぶかしくなる。 いっそのこと登録負担金とか供託金という名目の方が納得しやすい。
さて、必要な書類の様式を読み込み、記入し始めると改めて気づいたことがあった。 当たり前のことだが、我が国では法律においてペットショップでの陳列販売が合法化されているのだ。 動物取扱責任者を配置し衛生管理や収容頭数に見合ったケージの数を書く欄があったが、責任者と衛生・施設環境があれば生体販売は国家が認める産業であることに改めてショックを受けた。
いたずら心で動物管理センターに電話をしてみた。 「あのぉ、ワンちゃんのお預かりをしているのですけど、記入項目の中にケージの数というのがありますよね。うちの場合は室内で一緒に暮らしているのですが、ケージの数は必要なのでしょうか?」 「預かる数だけのケージがないと、きちんと管理できる状況とはいえないですよね。四六時中見ている訳にはいかないのですから」と担当者は明快に答えた。 担当者の頭の中には保管業だけが見えていて、しつけられた犬たちの姿は入っていないようだ。 しかし行政というのはトータル管理であるからこれも止むを得ないと思った。
結局、改正された『動物の愛護及び管理に関する法律』は、これまでのように不衛生で生命維持に無頓着な環境で動物を飼育・保管することを許さないという姿勢は見えるものの、陳列展示販売という犬たちが被る精神的打撃には目を瞑り、同様にペットホテルなどの保管業においてもケージや犬舎などの空間を整えるという名目で隔離できる設備を求め、QOL(生活の質)にまでは踏み込まないことを宣言しているようだ。
ともあれ、私は3万円を払います。 だから規制すべき業者にはちゃんと規制してください。 一歩前進であると信じたいから。
ただ、この国でペットショップによる生体販売の理不尽さを周知し改革するには国会議員を立て新たな法改正を行わないと無理なようだ。 だけどねぇ、 ・生体販売を禁止せよ! ・放置便の飼い主を啓発せよ! ・マスコミによる愛犬のイヌ化を糾弾せよ! ・補助犬を筆頭としたしつけられた犬たちが社会参加できるよう犬権を! などと公約を立てても国政とはレベルが違いすぎる。
文化の醸成・道徳の確立のために必要な地道な時間を私たちは費やす過程の中に存在しているのだろう。 だからこそ声を上げ続ける必要があるのだと思う。
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