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愛犬の吠え声で困っている方はかなりの数に上り、かく言う我が家の愛犬アモも吠えることが一因で盲導犬の適性を欠いた。 アモの吠えは遺伝的な警戒による面が多分にあるから、全面解決は不可能である。 でも、それが好ましくない行動だと示すことで、反射的な声は出ても、その後の意図的な声を抑えることは可能であり、我が家に来てからアモの吠えに対しては相当なしつけを行い、今ではほとんど気にならないまでになっている。
犬には声を出したり吠えるという機能が備わっているが、何も闇雲に吠えるわけではなく、彼らにとって訳あってのことだろう。
1.警戒や威嚇の吠えは、強気であったり逆に不安・恐怖から発せられることもあるし、仲間内の争いをはやし立てる場合もある。 2.祖先の狼のように哀愁を帯びた遠吠えをすることは少なくなったものの、切なさや寂しさを声に出すのは珍しくない。 3.痛みや恐怖の極みの際に発する声もある。
今夜の話題は4番目以降に続くはずの、欲求あるいは要求それと興奮による吠えについてである。
@欲求による吠え ここでいう欲求とは生存に関する本能に根ざした部分のことであり、そこから発せられる吠えはたとえ人間には耳障りなことであっても犬にとっては正当なものであり、飼い主がきちんと飼育責任を果たすことによって解消するべき吠えである。 例えば、適切な給餌・飲み水の提供・快適な寝床・必要な運動と排泄・健康状態の維持と必要な治療・愛犬との心の関わりであったり、避妊されてない犬たちが種の保存の為に突き動かされる衝動から発する吠えで、この吠え声を放置する飼い主を危うい人間と私は見る。
A要求と興奮で吠える ここでいう要求と興奮で吠える犬とは、既に正当な生存環境が満たされ且つ健康に育てられているにも関わらず吠える犬であり、生後一年未満の場合にはある程度の許容が伴う。 結論から言うとこれらの犬は、遺伝的な警戒心で吠える犬よりずっと確実に簡単に吠える習慣をやめさせることが出来る。(正確には、興奮によって吠える犬の方がちょっと難しいが)
『要求や興奮で吠え(させ)る犬の飼い主は、必ずその他にも問題を抱えている』というのが私の持論だ。 誤解して欲しくないのは、きちんとした飼い主でも個々の犬の性質や犬種特性で想像以上のエネルギーを要することがあり、「そこまで対応できないよ!」との切実な悲鳴があることも事実なのだが、多くの飼い主は犬に振り回され成すがままにさせられている。
人間力が弱い人もいるから安易なことは言えないが、要求や興奮による吠えを直そうとしてしているのに、あと一歩のところで届かない飼い主の多くが持っている共通の課題を最後に書いておこう。
それは一貫性の無さである。 ・犬は3回叱っても残りの7回を叱らなければその行動をやめることは無い。 ・犬に対する叱りとはその行為を止めさせる事ではなく、多くの場合言い聞かせることでもなく、行為を後悔させ、次に同じ行為を行うことにためらいと叱られる覚悟を持たせることである。 ・叱るときには決して相手を追い詰めてはならず、こちらの意図する方向への逃げ道を設けておかなければならない。
このことについてはもっと書きたくなったが、今夜はおしまい。 もう遅くなったしテーマとしてデカ過ぎるし酔っちまった。
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