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夕べはおでんをご馳走になったから、お酒は当然日本酒になった。 日本酒は私を最も深く早く酔わせる。 だから夕べは10時には寝てしまった、らしい。
さて一昨日のつづきを
仔犬たちが互いにじゃれあっている姿は誰の目にも愛らしく焼きついて、犬と暮す喜びのひとつになっているのは間違いない。 カレンダーの写真や仔犬の映像を見ると、何故か人々は微笑み心安らぐものである。 ただ、その仔犬たちをよく見ると、写真や映像には写ってないかもしれないけれど隅っこで寝ていたり意図的にグループから離れて「私には構わないで」とサインを出しているわんこがいるものだ。 仔犬同士の集まりだから、血生臭い結果になることはまずないからこの段階では問題にならないが…
つまり、幼犬の段階で他犬との関わりを喜びとしない個体が既に存在している。
さらに他犬と遊べた幼犬であっても家庭で飼育されるようになると遊べなくなる率が上昇する。
『免疫ができる生後4ヶ月までは外に出さないように』という主に医療面からの視点で安易に忠告する獣医の存在と、その言葉を鵜呑みにする心優しき飼い主の無知によって、人間の成長段階で言えば小学校低学年までを家庭内に留め置くものだから、とりわけ小型室内犬の何割かが排他的になったり外界に不安を示すようになるのは必然といえる。
そして極め付けが先日書いたように、そのように育てた愛犬を外出のお墨付きが出た途端、ドッグランなどで無防備に放り出し「他犬に慣れさせ遊べるようにしたい」と無垢無謀に考え、結果的に恐怖体験をわが子に課する飼い主の悲しいサガがある。
獣医の方々には 『仔犬の健全な成長には様々な社会的な刺激が必要です。だから幼犬であっても元気そうであれば天気のいい日には抱っこしてでも外に出かけて、いろんな景色や音をあなたが楽しそうに振舞いながら体験させてあげましょう。 知り合いのお宅に出かけて遊んでもらったり、怖がらせないよう配慮しながら清潔で寛容なワンちゃんと出会わせるのも楽しいですよ。歩きたがるようなら歩かせたって勿論構いません。 ただし、まだ免疫がしっかりできてないからイベント会場など不特定多数の人や犬が集まって間接的でも接触機会が増える場所や、草むらなどいろんなワンちゃんがオシッコを引っ掛けてるところには連れて行かないで下さいね。 獣医の立場として本当は生後4ヶ月頃までは外に出さない方が感染症のリスクが減ると言うべきでしょうし、実際あなたの愛犬が仔犬のうちにそんな病気になったらとても後悔するでしょう。 でも確率的にはとても低い恐れのために閉鎖的なことしてたら愛犬の心の成長に大きな問題が生じる可能性が高くなるのです。 無責任だとお叱りを受けるかもしれないけど、充分配慮されたうえで愛犬の社会性を育むような関わりを増やし、それで万が一病気になったら私たちと全力で治療に当たると考えていただくことが『犬育て』ではないかと思っています」 と言えるようになっていただきたい。
そして『うまく他犬と遊べない』わんちゃんの飼い主に対して私が伝えたいことは、怖がる愛犬を抱っこして他犬に近づけ、強引に慣らそうとする行為を止めていただきたい。 生来的に他犬が苦手なわんこもいるし、自分たちがそれまでの時間をかけてそのように育ててきたわんこに対し罰ゲームのような仕打ちにしか見えないからだ。
私のカフェでは不安を示す犬に追い討ちをかけるような状況を極力与えないように配慮されている。 だから、相手が寛容だから、配慮されてるからこそ…一気に慣らそうとせず、それまで育ててきた時間と同じ時間をかけるつもりで、あなたの愛犬が他犬の存在を徐々に受け入れ、そのうちに気の合う相手にめぐり合って心許すまでを静かに見守る親であって欲しいと願う。
5歳も過ぎてそれでも他犬と積極的に関わろうとする犬にはどこか他に問題があると思う…という新たなテーマを提示して今夜はおしまい。
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