From the North Country

自分にゲキ 2005年11月03日(木)

  木曜日の今日が定休日であるにも拘らず、祝日であるから営業していることをご存知な方々がカフェを訪ねてくださった。
ちょっとした会員制クラブの様相を呈していて、こんなシステムもありかな?などと考えてしまったが、すぐにそれは保守化・老化への道を歩む警鐘と受け止めるべきと悪魔の誘いを振り払った。

カフェの創業精神はHPのショップコンセプトに明記されている。
本来なら新たな犬と飼主を次々に受け入れ、一頭でも多くの“困った犬”を“素敵な相棒”に育てるお手伝いをしなければならないのだが、既に仲間となってしまった飼主の方々とカフェで過ごす時間は楽しく心休まるものだから、相当なエネルギーを要する問題犬の受け入れには腰がさらに重くなっている現実を自分なりにどう処理しようとしているのか分からなくなるときがある。

以前なら相談があれば「わかりました。数回のレッスンを行いましょう」と言えたものだが、今は正直、『カフェに通い続ければ、私も勿論お手伝いするけど、他のお客さんやそのわんこたちが正しい方向性を示してくれますよ』状態になっている。
それほどカフェの意思を理解してくださっている方々に囲まれており一種のコミュニティが形成されている。

小難しいレッスンよりも同じ愛犬家として『うちもそうだったよ。でもカフェで教わってこうしたらこうなったよ』という教材となる犬を前にしての会話のほうが説得力もあるし飼主のモチベーションを高めることができるだろう。
より理解と認識を深めるための理論や私の考え方それにちょっとした技術を提供することで実学的な道場ともなりうる。

「どうしたらそんなにおりこうになれるんですか?」
レトリーバーなのにハーネスとロングリードを着けて制御不能に陥っている飼主から、散歩中そう尋ねられたSさんは
「それをはずして首輪とリードにすれば解決の糸口になりますよ」と答えられたと伺った。
我が意を得たり!である。

犬が引っ張るからロングリード、引っ張ると首に負担になるからと獣医に言われてハーネス。
それで物事が解決するはずはなく、終いには散歩中、前から人や犬が来たら道を曲がるとか犬を抱きかかえるとか、およそ進歩のないドツボにはまる暮らし方をする飼主が溢れている。

何故、犬をそこまで無能な存在と見ることができるのだろうか?
何故、彼らの知性と理性を信じないでイヌと扱うのだろうか?
私にはそれが悔しい。
無能と見られる犬は無能になり、イヌと見られた犬はイヌになる。
犬は飼主に似るというのはそのことも含めての話であろう。
人も犬も変化することができるのだから、チャレンジを忘れてはいけない。

今夜は自分にも言い聞かせている。
 

♪やっぱ牛乳でしょ♪ 2005年11月01日(火)

  久々に銭湯へ行って戻ってきたら寒気がする。
身体が『あれは温泉じゃない!』と叫んでいるようだ。
そういえば風呂上りにタバコを吸うと味が変だった。
湯冷めするような不摂生をしたわけでもないのに、こんなに早く風邪なんてひくものだろうか?
今日も一日体調は悪くなかったし、カフェには咳き込むお客さんもいなかった。

ともあれ湯上りのビールのあとに感じた寒気から身体を温めるため、取って置きのお酒“菊水ふなぐち”を飲み始めたらしばらくは持ち直していたのに、焼酎に代えると今度は喉が痛くなっている。
ウィルスが入り込んでしまったのだろうか?

今週は定休日の木曜日が文化の日で祝日だからカフェは通常の営業となる。
そのためにも適切な処置をせねばならず、焼酎のあとは15年物のローヤルを仕方なく飲むしかないと決めている。

ところで、このように私にとって元気の源になるのが各種アルコールだが、犬にとってのそれは何になるかと問われたら私は迷わず『牛乳』と答える。
にも拘らず、最近の愛犬家は犬に牛乳すら飲ませたことがない方が多い。
『下痢をする・アレルギーになる』と教えられ思い込んでいる方があまりにも多い。

ラブラドールなんかが10頭以上も仔犬を産んだり、未熟児でおっぱいも吸えない仔犬がいたり、血液型不適合の母子間では人工哺乳を行わなければならないが、そんな時昔から使われていたのは牛乳である。
牛と犬の必要栄養素の違いで、牛乳に卵黄と蜂蜜を暖めながら調合するのだが、それで彼らは見事に乳児期を健康に育っていったものだ。
ウンチが硬すぎると蜂蜜を増量し、柔らかいときは減量した。
今ではエスビラックなどの粉ミルクもあるが、元々犬たちには牛乳が適合している。
犬用と称する牛乳などでなく普通の牛乳である。

あれだけの栄養素を含んだ飲料を犬に与えることに何を躊躇することがあろう?
何も急性アル中症状を起こさせるほどドカンと飲ませよと言っているのではない。
中にはごく稀に体質に合わない話を聞くこともある。
しかし、たくさんの方が思っているような牛乳アレルギーや下痢など犬にはない。

ごく少量からはじめても犬たちは喜んでフードを食べるようになる。
これは犬にやってはいけないことだが、良質のドライフードに砂糖と牛乳をかけると歯ごたえのあるコーンフレークのようで美味しかったですぞ。

♪山は富士なら酒は白雪♪
♪人は酒なら犬は牛乳♪
♪もっともっと牛乳♪
♪やっぱ牛乳でしょ♪
一部ちょっとローカルなコマーシャルソングを入れてみた。
産地消費を促進しよう!
北海道はいずれ独立するのだぞ!
北海道・沖縄開発庁なぞもうないのです!
『モナリザに会いたければフランスへ来い』
『美味しい牛乳を飲みたければ北海道へ来い。北海道では犬もたらふく飲んどりますぞ』

身体の中では風邪とアルコールが戦っているが、意識は既に酒が勝利して朦朧となっているようなのでお開きとしよう。
開きといえば、ホッケの・・・
 

深まる秋 2005年10月31日(月)

  昨日の早朝、ガーデンにお泊まり犬を出していると、北側の家の向こうで賑やかな鳥の声が聞こえる。
この辺では聞きなれない声に、カモメがこんなところまでやってきているのかと思いながらふと上空に眼をやった私は「おぉ!」と声を上げた。
数十羽のオオハクチョウの一群が見事なV字編隊を組みながら南へ飛行していたのだ。
正確にはV字の先端に3〜4羽の群れの幹部と思しき鳥たちがいた。
苫小牧のウトナイ湖で羽を休めるのか、それとも一気に大沼まで飛んでいくのだろうか?
『冬はもうすぐ傍まで来ているよ』と白鳥に教えてもらった気分だった。

ただ、去年の今頃は既に雪が降っていたが、カフェ周辺では初氷もまだない。
もちろん、ストーブは焚いているけど冬の気配というより、モミジとナナカマドの燃えるような真っ赤な葉と白樺やニセアカシアの黄色い葉がガーデンに舞い降りる深い秋色をしている。

明けて11月となった夜中、Kとガーデンに出て「おぉ!」と再び声を上げた。
満天の星空がそこにあった。
オリオンの中に細かい星が見えている。
小熊座が視力の衰えた私の眼にくっきりと映し出され、さらに眼が慣れてくると宝石をちりばめたようなきらきらした輝きが次々に広がっていき、とどめを刺すように流星が消えていった。

今夜はもう一枚薄掛けを羽織って寝ることにしよう。
 

耳毛抜き 2005年10月30日(日)

  ここんところ私の散髪はJラッセルのケイトの父さんの店でやっていただいている。
1ヵ月半か2ヶ月と一般的にはちょっと長めの間隔なのだろうが、協会で働いていた頃は年に4回だったからそれから比べると最近は頻繁にカットしているほうだ。

ところが3週間もすると耳毛が伸びて外にはみ出すようになる。
自分で気付いていても「ま、いいか」と思っているのだが、「みっともない」と言われ仕方なくシェーバーで奮闘するが一向にうまく剃れない。
するとKが毛抜きを持ってやってきてこれまでに2回耳の毛を引っこ抜かれた経験がある。

「イテッ!痛い!」
マジに痛い瞬間が何度もある。
ケイトの父さんなら剃刀でガシガシと気持ちよく剃ってくれるのに…

そんな痛みを知っている私に今日トリマーのノンちゃんが応援を求めた。
「耳掃除をするのでちょっと手伝ってください」
相手のわんこはMシュナウザーのモカちゃんだった。
ノンちゃんの手にはコッフェルがあり、それで耳毛をむしりとるというのだ。

シュナウザーの場合、耳毛がどんどん伸びて放置しておくと耳が遠くなるほど詰まってしまうのだという。
これまで毛抜きを何度か経験済みのモカは、抑える私の手の中でじっとしている。
「イテッ!ウゥッ!」
モカの代わりに私が声を出していたが、やはり何度か痛い時もあるようでピクンと動こうとした。
見ると身体に生えている黒く長い毛と同じものが耳の中から何本か引き出されているのだ。

「鼻毛カッターみたいなもので代用できないのかなぁ?」
耳毛を引っこ抜くノンちゃんもちょっと可愛そうと思ったのか「今度試してみます」と言ってくれた。

それにしても気の毒な犬種であると思ったら、私の耳毛がまた伸びていた。
 

堕落論 2005年10月29日(土)

  まずはお知らせから。
来月11月29日(火)30日(水)を臨時休業とし、翌日の12月1日(木)の定休日と合わせ3連休とさせていただきます。

先月あたりから定休日にもお泊まり犬をお預かりする週が続いてゆっくりする時間がとれなかった。
年末年始のお泊まりも決まっているので、どこかで休養できる時間が欲しいと思っていたら、
「休ませろぉ!年寄りを働かせるなぁ!」とKが朝からシュプレヒコールをあげはじめたので、慌てて調整した臨時休業ですがご容赦を。

さて、今夜は体に良かったことの報告をいくつか。
予め断っておくが、私は怪しげな食品や勧誘には懐疑的であり、悪徳業者からすればそんな人間ほど騙しやすいという傾向があるということに留意願いたい。

昨年のいつ頃だったろうか、私の膝は悲鳴を上げ、歩くこともままならなかった。
病院では棚障害と診断され手術を勧められたが、カフェを始めたばかりで休むわけにはいかない私は按摩治療を続け何とか凌いでいた。
そんな時友人から勧められたグルコサミンとコンドロイチンの健康食品が良いというので飲んでみたら、数日ですぐに痛みがなくなり現在に至っている。
ただ、膝の中の状態は回復したとは思っていない。
力いっぱい蹴ることはできないし、立ち上がるとき痛みこそないけれど違和感と『あの時の痛み』への不安感はある。
痛みを軽減し、スポーツができるとまではいかないが日常生活に支障なく生活できるようになっている、という点でよかったと今のところ感じている。

次に水。
活性水素水というのがある。
ただのアルカリ水とはパワーがちと違うようで、鉄が錆びるように身体も酸化して老化するらしいが、この酸化を阻止する役割を活性水素が多少なりとも担ってくれるらしい。
本当かどうかはわからなかったが騙されたつもりでウン十万円の器械を昨年の今頃カフェに導入した。
Kは犬の毛アレルギーが改善され、私は何年も前から頭皮にあった大きなイボが消え、スタッフの月に2回癲癇を起こしていた犬から発作が消え、他にも排泄臭が消えたとか報告を受けているし、来店の度その水だけを好んで飲む犬もいる。
まるで科学的根拠のない誇大広告の片棒を担いでいるようで心苦しいが少なくともカフェで体験したことである。

最後にヨガ。
車をバックさせる時、後ろを振り向くだけで心筋梗塞かと思うような苦しさと胸の攣るような痛みが私の身体を襲っていた。
按摩の時、太ももやお尻の筋を揉んでもらうと痛かったり気持ちよかったりした。
それがヨガをやるようになってとても楽になった。
要はストレッチなのだが、呼吸法と組み合わせ心身のバランスを整えることで効果はさらに上がるようだ。
特に自重を利用したポーズがツボにはまると、揉んでもらっていた筋がなんと心地よく伸ばせるものかと癖になっている。
勿論膝を支える周辺の筋肉も楽になってきた。

大酒を飲みタバコも吸う私だから身体のあちこちは大変である。
せめてその償いと補修のためにいろいろ試していることを報告させていただいた。
キーワードは“楽にできること”だから当てにはならないだろうが。

補足になるが温泉は絶対捨てがたい。
身も心も癒される。
少なくとも月に2回それぞれ6時間以上はその場所で過ごし、飲み食いし、本を読み、うたた寝したい。
そしてKと私の次なる目標は電動マッサージ器の購入であり、その情報集めをしている。

働きながら人生を休み楽しめることが今はうれしい。
 

総合学習で来店する子供たちに 2005年10月26日(水)

  カフェの近くにある中学校の生徒たち数人が明日の定休日にカフェを訪ねることになっている。
総合学習の一環として盲導犬について学びたいのだという。
担任の先生から依頼の電話があったときは、直接協会を訪ねるよう話したが都合があわなかったようだ。

子供たちに盲導犬のことを話し、使用者の体験談やパピーウォーキングのことを知ってもらうということは、将来に対する“種蒔き”である。
それは、いずれ協会への寄付に反映されるだろうし、パピーウォーカーの拡大や優秀な盲導犬歩行指導員の育成にも繋がるかもしれない。
何より視覚障害者と盲導犬の社会参加に対する理解に大きな影響を及ぼすと期待してのことである。

山に木を植えるような遠大なプロジェクトのように思えるが、私のように25年も盲導犬に携わっていると、木が育つより早く結果が出ることも知っている。
10歳のときに盲導犬の授業を受けた子供はすでに35歳を過ぎているのだから。

「私の姉は盲導犬を使用していたんですよ」
お泊まりの相談で今日初めてカフェを訪ねられた女性が唐突に話された。
「ずうっと昔。協会ができて間もない頃です」
何故か私にはピンときた。
「Sさんですか?」
その女性は驚いたように「そうです」と答えられた。

Sさんは北海道に盲導犬協会ができて間もない昭和40年代の終わり頃盲導犬を取得された。
妹さんの話によると「姉はとても明るくなり行動的になりました」ということだった。
しかし、交差点を横断している時、彼女の横断を待っていた車の後ろから追い越しをかけてきたタクシーにはねられてしまった。
幸い大きな怪我にはならなかったが、彼女のショックは大きく以後盲導犬と歩くことはなかった。
その後彼女の盲導犬は帯広の点字図書館で働く男性の元で働いた。

私が現役の頃、“盲導犬に関する事故”について調査したことがあり、彼女の事故についても調べていたから今日の話にピンときたのだろう。

思えばいろんな経験と知識を私は未だに持っている。
明日カフェを訪ねてくる子供たちには短い時間であろうが多くのことを伝えてあげよう。
 

暖かでのどかな秋に 2005年10月24日(月)

  10月の札幌は暖かな日が続いた。
1週間ほど前からカフェでは暖房を入れることが多くなっているが、エアコン暖房で十分間に合っている。
灯油高騰のおり大助かりだ。
おまけに今日はお昼過ぎまで暖房不要の暖かさで、ガーデンにいるだけで幸せな気持ちになれた。

そんな暖かさに誘われたのか、いつもなら車で来店されるNさんとSさんがゴールデン・Mダックス3頭それにチワワを伴い歩いてカフェに向かわれたようだ。
ところが車で走る道路ではなく公園や住宅街の生活道路を散歩しながら歩いているうち道に迷ってしまったらしい。
『のろしを上げよ』との連絡がカフェに入り大笑いしていると、しばらくしてぞろぞろとやって来られた。

知人からしばらく預かっているというNさんのゴールデンは、前回来店のとき他犬の接近に対してガウガウと威嚇的な態度をとり、3回ほど私のパンチを食らっていた。
「ようやく歩きやすくなったんですよ」とNさんは話され、ガーデンでの様子を見ていても他犬に対して表情が温和になっていたのに驚いた。
前回パンチを見舞ったとき私の右手の指の付け根がみるみる腫れ上がった。
「へぇ、そこまで思いっきりぶん殴るんだ?」とケロッと言われたが、そんなことしてたら私の手はもちません。当たり所が悪かっただけのことであるのでお間違いなく。

のどかでゆったりとした時間をしばらく過ごされたあと、お二人は帰り支度を始めた。
「あっ!?財布忘れた!」
あまりの天気の良さにお散歩気分で家を出たNさんとSさんは二人とも財布を持ってこなかった。
カフェは再び大笑いとなり、「車で自宅まで送りますよ」という私の申し出を振り切って、二人と5頭はニコニコしながら暖かな外へと消えていった。

チワワとダックスそれにゴールデンの歩幅の違いに二人の人間が混ざり合って歩く姿にKと私は思わず顔を見合わせ
「大丈夫かぁ?」と笑った。

明日は10度も気温が下がるという。
最後かもしれない今年の暖かな秋の一日だった。
 

手の打ちようは必ずある 2005年10月23日(日)

  手の打ちようがないですね、今年のロッテ。
若い力とがむしゃらさを感じさせてくれます。

今日も“困った犬”の飼主からの相談が続いた。
『手の打ちようがないですね』という言葉が喉元まで出掛かるが、飼主の気持ちを考えるとそうも簡単にギブアップするわけにはいかない。
いろんな飼主からいろんな相談を受けて私が言葉を詰まらせるのは、矯正不可能と感じるからではなく“自分がその犬とこれから暮らすわけではないから”という現実を直視しているからである。
つまり、私がその犬と暮らすならたとえ大きな問題を抱えていても、多くの場合良き伴侶となるように育て上げることができるだろうが、対象となる犬には飼主がいてそこでの待遇や環境がある。
私に出来ることだからといってそのことをそのまま飼主に行わせることに無理があるのを知っているから言葉に詰まるのだ。

相談に対し、正論のみを教えることにどんな意味があろう?
飼主がやれる範疇でのアドバイスこそが適切なのだと思う。
ただし、ここで言う範疇というのは、飼主に今まで通りの無理のない接し方という意味ではなく、どこまで今までの生活と接し方を変える覚悟と能力があるかということであり、犬を変えたいなら自分にそれだけの覚悟があるかということも問わなければならないと思っている。
犬だけ訓練して自分たちは過去もこれからも変わらずというのは虫が良すぎる話だ。

これまで何度もこの欄に登場したわんこは2年前まで手に負えない荒くれ者で、人前には安心して出せない犬だった。
しかしその犬の飼主は本気で学び、惜しみない愛情を注ぎ金銭的な負担も負い、自らの生活も変え、その意気込みが私をも本気にさせた。
その結果が今年の夏に形となった。

夢の世界でしか考えることのなかったペンションを利用しての“愛犬との旅”が現実となったばかりか、観光客で込み合う峠では『右手にソフトクリーム、左手には足元で伏せた愛犬のリード』を持っていたという後日談の姿を想像するだけで私はわくわくし、うれしさのあまりきっと“涙でしょっぱかったであろうソフトクリーム”をイメージした。

初めて来店された方の速射砲のような愛犬相談に閉口することが多いのは、犬も知らず飼主とその環境も知らないからであり、もっとスローな付き合い方が私の肌にあっているからである。
逆説的にみれば飼主が私から変化を求められたとしても、それに対応でき、且つ愛犬の稟性に大きな問題がない場合にのみ即応できるのかもしれない。

ところで、タイガースよ、今年の若くて勢いのあるロッテに対抗するにはどうすればよいのか?
若くて勢いがあると思っていたタイガースだったが、ロッテはそれ以上に若くはつらつとしていた。
明後日の甲子園でベテラン下柳が『押さば引け、引かば押せ』の老獪さを見せ、打線と守備が地味な展開を継続できるかが問われることになった。
手の打ちようは必ず見えてくるものだ。
あたふたせず『織り込み済み』、今流の言葉で言えば『想定の範囲内』と受け止め、修正すべきは修正することで新たな展開が期待される。

愛犬のアドバイスならもっと詳しくできるが、タイガースの飼主の一人である私は、ただ君たちを応援している!
 

爺放談 2005年10月21日(金)

  テレビ好きの私にとって最近の番組編成は「つまらん!」と嘆くばかりである。
どこもかしこも“くだらない”バラエティ全盛の時代に入り選択の余地もないほどだ。
当然視聴者のニーズに沿うよう編成しているのだろうから、くだらないと感じている私が少数派だということは重々承知しているつもりだが、あんな番組を毎夜毎夜国民に見せ付けていることに不思議さと、世の中の出来事に鈍感になるように導こうとする意図を感じることもある。

最近のニュースで、世界遺産に登録された知床で馬鹿騒ぎの取材かロケか分からないようなことをやっていた連中が、一般市民から注意を受け逆切れしたことの顛末が報道されていたが、図に乗るのもいい加減にしろと言いたくなる。

『芸能人があなたの家に泊まります!』?
アホたん!芸能人だからといって誰もが喜んでちやほやするはずないだろ。

『どこか虫の居所でも悪いのだろうか』私は頭を振ったあと深呼吸した。
虫といえば、今日お泊り犬の散歩をしている時やけに雪虫や小さな虫が多かった。
“ケヤキフシアブラムシ”という名前の虫らしいが、夏の暑さで大量発生しているとのことだ。

明日からは雨の予報ですでに外では雨音が聞こえ始めている。
残念ながらカフェは静かな週末となりそうだが、私には日本シリーズという楽しみが待っているからテレビに釘付けになるには好都合。

さて、チャンネルをまわして「つまらん」と嘆き、選択の余地もないことを冒頭から愚痴ってしまったが、その時間帯のテレビを消すという方法があった。
夜の番組がつまらないとこの欄を早い時間に書き上げることができるし酒もタバコも減る利点があった。
最近のテレビのつまらなさに早くから気づいていたKはベッドで横になってスカパーで映画を楽しみ、同じベッドにはお泊り犬のロン・ジュリが長々となって眠っていた。
 

最低限の清潔が基本 2005年10月19日(水)

  寝たきりになった老犬をうまく介護する必須条件のひとつに『常に清潔に保つ』というのがある。
これが人にも当てはまるのかどうかは介護経験と知識がないから分からないが、少なくとも犬の場合は必須だと思う。
介護ということ自体が肉体的にも精神的にも大変な作業であり、一人の力だけではどうにもならない時がある。
人に頼んだり複数の人が関わることを考えたなら、清潔を心がけているだけで介護する側の印象は変わってしまうものだ。
最初に『汚い・臭い』と感じたなら、人はどうしても引き気味になる傾向が高くなってしまうから、清潔に保つことが介護者・被介護者にとって望ましい結果を得る条件と言ってもあながち大げさではない。

ただ、今夜は老犬介護の話をしようと思ったのではなく、お泊り犬のピチピチ元気なキャバリア君の話である。
先日来、繁殖予定のないオス犬の去勢のことを書いているが、この子にとっても切実な問題となっているのだ。

他犬のまたぐらに首を突っ込む・オシッコ痕跡を執拗に嗅ぎまわるから垂れた耳にその汚れがこびりついてしまう・起きている時に考えることの殆どの時間が性的なこと、などと紹介してきた。

しかし、お泊まりが4日目を迎えた今夜も、この愛らしい顔をし、人に対して性格のいいキャバリア君を私は抱っこはおろか飛びつかれることさえ拒否してしまうのだ。
その最大の理由は、“汚い”のである。

朝一番のトイレに連れ出すと、いわゆる“朝立ち”した彼のペニスから放出されるオシッコは、高く上げた片足の角度にもよるが、彼のお腹を濡らし、次に胸と両足の後ろを濡らし、さらにのどを濡らし、まるで口元から水を吐き出すように放水されている。
この時点で誰しも触るのさえひいてしまうだろう。
さらに彼にとって分が悪いのは、出勤してきたトリマーのノンちゃんに毎朝その“汚れ”を洗ってもらうのだが、その際あろうことか射精してしまうというのである。

彼の何処に非があるというのだ?
元々繁殖用の種オスならカフェで預かることはない。
私たちが非常識で冷酷なのだろうか?
いずれにしてもすべてを人に委ねている彼は“避けられる存在”とまではいかないけれど少なくとも気軽に抱っこできる存在にはなっていないのだ。

私の隣で本当に愛らしく丸くなって寝ている彼の背中を撫ぜながら、単に愛玩犬として家族の一員として暮らしているはずの彼の重いハンディを感じてしまう。
 


- Web Diary ver 1.26 -