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今夜のテレビ番組、動物奇想天外で懐かしい人に出会えた。 老犬となったカプちゃんことカプリーヌの元ユーザーMさんだ。
彼女がまだ盲学校の小学部に通っていた頃から協会との繋がりがあった。 生まれながらにして視覚に障害があったMさん(旧姓Kさん)の両親は、同じ障害を持つ方々のお役に立てるよう、また将来、娘に盲導犬が必要になった場合に備え犬好きな子供になるよう、当時パピーウォーカーをされていたのだと思う。
時は流れ、彼女から盲導犬申し込みについての電話を受けた私は北広島市の家を訪ねた。 既に結婚され小さな子供さんが2人(だったかな?)いて、とても幸せそうだった。 面接をして驚いたのはその頭の良さと概念形成の確かさだった。 先天視覚障害の場合、三重苦のヘレンケラー程ではないにしても、道路や地図・方角といった概念を獲得するには大変な努力と教育それに知力が必要であるのだが、彼女は見事にそれを習得していただけでなく、社会生活全般に渡って障害を全く感じさせないスーパーウーマンであった。 彼女の知性でありご両親の育て方でもあったのだろう。
盲導犬を得て彼女は毎日子供たちを保育園に送り迎えしていたが、まるでウズラの親子のようにピョコピョコと一列に駆けて行くその微笑ましい姿を私は今でも忘れることが出来ない。
その後、ご主人の仕事の関係で釧路・中札内・函館と数年おきに転勤があり、その都度フォローアップを行ったが、一度説明し実際に歩けば、彼女の頭にはすっかりその地域の地図が出来上がってしまうことに私はもはや驚くことはなかった。 説明するために何度も歩かないと理解できない私とは雲泥の差だ。
今夜の番組を見ると彼女はまだ函館のあの地にいるようだ。 少しシワが出てきたようにも見えたが、彼女のシワは笑顔ジワだから素敵だ。 ちなみに加藤晴彦くんと歩いていた私のお腹は殆ど出ていなかったでしょう? スマートな時代もあったのです。
悲しい別れと涙の再会が画面には映し出されていたが、盲導犬が彼女の生活に欠かせないのは間違いない。 カプちゃんは引退し次のイーラが後を継ぎ、この先もまだ何頭かの盲導犬が必要だろう。 別れの辛さを乗り越えこれからも是非元気で頑張って欲しい。 Mさん、そしてユーザーの皆さん陰ながら応援してますよ。
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