|
10月の札幌は暖かな日が続いた。 1週間ほど前からカフェでは暖房を入れることが多くなっているが、エアコン暖房で十分間に合っている。 灯油高騰のおり大助かりだ。 おまけに今日はお昼過ぎまで暖房不要の暖かさで、ガーデンにいるだけで幸せな気持ちになれた。
そんな暖かさに誘われたのか、いつもなら車で来店されるNさんとSさんがゴールデン・Mダックス3頭それにチワワを伴い歩いてカフェに向かわれたようだ。 ところが車で走る道路ではなく公園や住宅街の生活道路を散歩しながら歩いているうち道に迷ってしまったらしい。 『のろしを上げよ』との連絡がカフェに入り大笑いしていると、しばらくしてぞろぞろとやって来られた。
知人からしばらく預かっているというNさんのゴールデンは、前回来店のとき他犬の接近に対してガウガウと威嚇的な態度をとり、3回ほど私のパンチを食らっていた。 「ようやく歩きやすくなったんですよ」とNさんは話され、ガーデンでの様子を見ていても他犬に対して表情が温和になっていたのに驚いた。 前回パンチを見舞ったとき私の右手の指の付け根がみるみる腫れ上がった。 「へぇ、そこまで思いっきりぶん殴るんだ?」とケロッと言われたが、そんなことしてたら私の手はもちません。当たり所が悪かっただけのことであるのでお間違いなく。
のどかでゆったりとした時間をしばらく過ごされたあと、お二人は帰り支度を始めた。 「あっ!?財布忘れた!」 あまりの天気の良さにお散歩気分で家を出たNさんとSさんは二人とも財布を持ってこなかった。 カフェは再び大笑いとなり、「車で自宅まで送りますよ」という私の申し出を振り切って、二人と5頭はニコニコしながら暖かな外へと消えていった。
チワワとダックスそれにゴールデンの歩幅の違いに二人の人間が混ざり合って歩く姿にKと私は思わず顔を見合わせ 「大丈夫かぁ?」と笑った。
明日は10度も気温が下がるという。 最後かもしれない今年の暖かな秋の一日だった。
|
|
|