From the North Country

忘れかけた原稿の中のエリー 2005年04月13日(水)

  盲導犬のパピーウォーカー(PW)を担当していた時に、『PWのための仔犬の育て方』というテキストを執筆したことがある。
退職後、車で寝泊りしながら日本一周の旅をしていた時、立ち寄った広島の原爆ドームで私の携帯が鳴った。
以前ひょんなことで知り合った大手出版社の方からで「あのテキストを一般家庭犬に応用できるように加筆改編して出版しませんか」という話だった。

その後原稿は書き上げたが、『犬の育て方』というマニュアル面と、私が得意?としているエッセイのような文章が混在し、専門家から見ればどうにも位置付けのしようがない原稿になってしまったらしい。
私にすれば、堅苦しいマニュアルを読みやすくするために挿話したつもりだったが、言われてみればおかしな状態になっていた。
結局折り合いがつかないまま、私はドッグカフェ立ち上げの準備で忙しくなり、その原稿は今でもパソコンの中に眠ったままになっている。

今日、カフェで“犬のお留守番について”のことが話題になり、私は忘れかけていたその原稿の一節“愛犬エリー”との出来事を思い出していた。

(以下、引用)
…私の家にエリーという盲導犬の適性から外されたラブラドールがいました。
来客に対して吠え続けてしまうので、初めは叱ったり呼び鈴と同時にフードを与えたり、訪問者のあるたびにジャーキーをあげてもらったりしましたが効果がありません。
そこで発想を変え、「吠えろ」という命令を声符(声の命令)と視符(身振りの命令)で教えてゲームにしました。その結果、元々遺伝的な要素で吠える犬でしたから年を取るまで吠えるのは直りませんでしたが、「もういい」と言えば止めるようになりました。

エリーはまた、家族が寝静まると夜毎ごみ箱を漁っていました。
ごみ箱に紐を巻き、紐の先をテーブルに不安定に置いたバケツなどに結びつけ、悪戯をするとバケツが犬の頭に落下してくるような天罰ともいえる仕掛けを作っておけばこの問題はウソのように解決するのですが、私は面白半分に長い紐を彼女の首に付け、その先を寝床にいる自分の足に結わって時を待ちました。

初日は入れ食いです。
灯りを消しドアを閉めて寝床に就くや否や、ぐぐぅっと足を引っ張られました。
「こらぁ!エリー!」
本当にビックリしたのでしょう。ささぁっとベッドに戻る音がします。
2日目以降はさすがに彼女も様子を探っています。
徐々に時間が経ってから足を引っ張られるようになりました。
が、数日のうちにこの楽しいゲームは終わってしまいました。
時を見計らっているうちにお互いが深い眠りに落ちるようになったからです。

またある日こんなこともありました。
寝ているエリーを残して買い物に出ようと車庫へ行き、ふと忘れ物に気付いて部屋に戻るまでの僅か数分間のことでした。
部屋のドアを開けた私は一瞬何事が起こったのかと目を疑いました。
台所の床が一面真っ白で白い粉が空中を漂っているのです。
「わっ!」という自分の声に驚いたおかげで冷静さを取り戻した私は、じっくりと観察を始めました。
台所から続く白い粉は足跡となってエリーのベッドまで続いています。
こちらに背を向け丸くなっているエリーはいつもより大きめのイビキをかいていましたが状況証拠は明白です。

「こらぁ!エリー!」
と怒鳴りましたが、私との駆け引きが既に名人の域に達している彼女は動揺も見せず
「なあにさぁ、うるさいわねぇ。せっかくいい気持ちで寝てるのにぃ」と眠そうに私のほうを振り向きました。
その顔にはまるでタヌキのような小麦粉の化粧がされていたのです。
腹を抱えながら抱きしめてやったのは言うまでもありません。

悪戯がバレ、叱られることが分っていながら、なお逃げようともせず人と関わり続ける犬。
絶えず家族の様子を観察しているのだろう、タイミングよく自分の要求を満たしてくれる人に寄り添う犬。
家庭内に険悪な空気が漂い始めると、とりなすように人の間を行き来してはお互いの緊張をほぐすのに一生懸命な姿を見る度、犬とはなんとすばらしい生き物なんだろうと思う。…

長い引用になってしまった。
時間をみて、あの原稿をもう一度手直ししてみようと思う。
 

ガーデン全開! 2005年04月11日(月)

  今日の午前中にすべての作業が終わり、ガーデンは全開となった。
今日ご来店された方々はラッキー!
明日はカフェが最も閑散とする火曜日。(定休日を木曜から火曜に変更しようかと真剣に考えているが、理容室のジャックラッセル/ケイトは火曜日にしか遊びに来れないから躊躇している)
明日の天気予報は快晴!愛犬家諸氏、見逃す手はありませんぞ!

昨日一日降り続いた雨で、ガーデンの雪山があった辺りには今朝になっても大きな池ができていた。
去年からこの状態には散々頭を悩ませていたが「水はけの悪い低い場所に水が溜まってしまう」という嘆きから「水が一ヶ所に集まってくれている」という風に発想を転換することで解決策はすでに2週間前に見つかっていた。

今朝、パスタソースに使ったトマトの空き缶をごみ袋から探し出し、切り残った蓋を切っていたらKが私に尋ねた。
「何してるの?」
私が黙ったままニコッとしただけで彼女にはピンときたらしく、二人で大笑いしながらの実験スタートとなった。

池の中央部に直径・深さ共12センチ程の穴を掘り、そこに空き缶を沈めた。
以前買っておいた“浴槽から洗濯機に残り湯を送るポンプ”を空き缶に沈めてスイッチを入れてみると、長いホースの先から勢いよく水が噴き出した。

実はこれには失敗談があり、2週間ほど前このポンプを買って雪解け水が溜まった場所に入れてみると、しばらくは排水するのだが、水位が低くなると全く役に立たない。
うまく角度を調整するとまたちょろちょろと排水するので、何時間もかけながらコツコツとやっていた。
「また、安物買いの銭失いみたいなことをチマチマやってる。あれじゃ排水する前にお日様が乾かしてくれんじゃないの」
カフェの中からスタッフ達がため口をききながら冷ややかな視線を送っているのを、オシッコ交じりの池の中で屈み込む私は背中で感じていた。
しかし、その時“空き缶作戦”がひらめいていたのである。
ただ、まだ水の底には氷があり、土も凍っていたのでこの作戦の決行は見送られていたのだ。

そのことを覚えていたKが今朝の空き缶を見て大笑いしたのである。
実験は見事に成功し、大量の水は30分ほどで綺麗に消えた。
空き缶の代わりに塩化ビニールのパイプを埋め込み、蓋ができるようにした。
大雨が降ったら水は一ヶ所に集まるから、蓋を開けて排水ポンプで掻き出せば何とか対応できるだろう。

そんな作業が終わる頃、ガーデンはすっかり乾燥し50坪ほどの狭いスペースが、まるで沖縄やゴールドコーストの砂浜のような白く美しい眩しさを見せてくれた。
「やしの木が似合いそうですね」
お客様のその一言で泥沼状態から続いた苦労が報われたように私は安堵した。
さあ、次なる戦いが待っていても頑張るぞ!おうっ!!
 

コンダラ 2005年04月10日(日)

  昨年は4月25日になごり雪が降ったから、降り続く今日の雨やミゾレは異常とは言えないし、あと2週間春が来なくても北海道に住む人間は我慢しなければならない。
そう自分に言い聞かせているが、冬が去った以上春らしい日が早く来てくれないとガーデンが水浸しで快適に使えず、お泊り犬の管理も大変である。

先日かつての飲み仲間だった造園業のDに電話を入れた。
「ガーデンがデコボコになってしまって整地したいんだけど、何かいい物持ってないか?」
「レンタルで自走式のローラーがあるぞ」
「そんな金のかかる代物じゃなくて」
「わかったぁ、資材置き場で眠ってる手動式のローラーがあるから、そのうち持って行ってやる。」
「そのうちじゃ困る。除雪の仕事も終わったべ!造園の仕事始めるには早すぎる。ヒマ持て余して退屈してると思ったから電話したんだぞ!」
彼は二日後にローラーをトラックで運んでくれた。
80キロほどの重さだが、ローラー部分に水を注入すると200キロほどになるらしい。

そのローラーを見て、30数年前北海道で初めての盲導犬の訓練をするために、岐阜から本道に渡って来て今でも現役の盲導犬訓練士であるI氏を思い出した。
彼はテニスコートなどで使われているこのローラーを『コンダラ』という名前であるとつい数年前までまで思い込んでいたのだ。

『巨人の星』というアニメを当時の子供はみんな見ていた。
毎週子供達はテレビの前に釘付けになり、このテーマソングが流れ、野球部員が汗をかきながら一生懸命ローラーを曳く場面などが映し出される。
「思い込んだら試練の道を行くが男の…」という歌詞だったのだが、I氏はそれが映し出された絵と重なり、違った歌詞として認識してしまったらしい。
「重いコンダラ試練の道を曳くが男の…」

ローラーを見るとI氏の顔を思い出し、『コンダラ』とつぶやいてしまう。
 

ノエルその2 2005年04月09日(土)

  2頭目の犬と1頭目の犬が次のような関係を示し始めたら要注意である。
1.1頭目の犬がほとんど遊び相手を務める
2.1頭目の犬の口の周りをよく舐める
3.散歩の時も1頭目の犬を意識しながら歩き、頻繁にふざけるように絡み合う
4.1頭目の犬が2頭目の犬に対して唸りを入れて威嚇することがある

たまたま思いついただけのことを書いたが、このような場合2頭目が他犬や時には他人に対して警戒的になったり攻撃性を示すことが多く見られると感じている。

そして、そのような関係に陥りやすいのは
1.母子の関係
2.2頭目が生後2〜3ヶ月から一緒に暮らすようになった場合
3.同型犬種の場合
などで、恐らく群れを意識して防御というか排他的な心理状態を作り出すのではないかと想像している。

これらの傾向を含んだ上で2頭目を育てるには以下の注意が肝要だ。
1.子育てに積極的になろう
子育てを一頭目の犬が行うと、飼主は楽だしニ頭目の犬の物覚えもよいが、そこに大きな落とし穴があり人に育てられた犬ではなく犬に育てられた犬になってしまう。
2.せめて1歳までは自立心を育てよう
飼主や1頭目の犬と散歩することで、精神的な後ろ盾を得て、本来ひとりで解決できなければならない事柄を端折って育つから、まるで親分の前のチンピラみたいに威勢だけはよくなる。

今日までのノエル君と兄貴のレオン君はこれらに配慮して育てられているので先ずは順調である。
 

ノエルその1. 2005年04月08日(金)

  昨日からの雨でガーデンのコンディションが後戻りしてしまった。
明日も曇りのようだし、明後日の日曜はまた雨が降る予報。

「そちらにはドッグランがあるんですよね」
「小さな庭はありますがドッグランはありません」
「ゴールデンですけど、思いっきり走らせたいんです」
「どこまでを考えておられるのかわかりませんが、そんなスペースはありません。あくまで庭です」
「雨が降っていますが大丈夫ですか」
「水溜りもできていますので汚れることを覚悟してください」
実際のところ電話を受けたスタッフはもっと丁寧な応対をしていたのだが、応答部分は少々やけっぱちになった私の勝手な独り言を書いてみた。

昨年から比べれば今年のガーデンには文字通り雲泥の差があり、泥沼状態は実はかなり短期間で終わっていたのだが私の目標からすればまだまだの状態である。
そんなガーデンをお泊り犬ノエルは、今日も同じゴールデンのベルナと楽しそうに走り回っていた。

ノエル。
ゴールデンのレオンと暮らしているGさんの2頭目の愛犬である。
LEONを反対から読めばNOEL。大したネーミングだと感心してしまうのは私だけではないはずだ。

まだ5ヶ月過ぎなのだが、飼主のGさんは1頭目のレオンを溺愛しすぎて、取り返しのつかない飼主依存症寸前の状態にあった頃カフェを訪ねてくれた。
そのレオンが毎週のようにカフェに通うようになって、ここ数ヶ月でちゃんとした家族の一員に育ってくれたと思ったら、次のノエルとひょんなことから暮らすことになったのだ。

多頭飼いの弊害は以前にも述べてきたが、それを育て方で変える事ができるのか?
Gさんも私の懸念を理解していただき、お互い話し合いながら最悪の状態にならぬよう、さりげなく対処しているところである。
たまたま、レオンとノエルをしばらくお泊りさせることになり、そのノエルと同じ年頃に訓練し、今は大人になったベルナが今日ノエルと遊んでくれたのである。

2頭以上の犬と暮らす弊害はかなりの確率で起こり得ることを、カフェを始めて知るようになった。
以前にも記したがその状況と対処法を明日もし覚えていたら再度考えてみようと思う。

日付が変わった今、ゴーゴーと鳴く風の音が酔いの回った私をかろうじて現実に引き止めてくれている。
 

子供の頃に受けた教育 2005年04月06日(水)

  お泊りわんこがいない定休日前夜、閉店と共に近くのホームセンターへ出かけ、以前から必要だったのに買うことができなかった品々を時間をかけて揃えてきた。
遅い夕食は秋田の盲導犬ユーザーから頂いた稲庭うどんをKがおいしく仕上げたものをご馳走になり、その後久しぶりに近所の銭湯へ出かけ、帰宅後これまた頂き物の琉球銘酒『瑞光』で身体をのぼせ上がらせている。
これらが皆私の幸せな時間であり、したがって今夜は日付が変わった頃から心地よくなってきた。

私が心地よくなるとつい愚痴が口をつくようになる。
今は亡きガロ社長と気が合ったのも、事あるごとに「バーヤロウ!バーヤロウ!」と反骨精神をあからさまにする彼の生き方が好きだったからだ。
今夜の私の『バーヤロウ!』は自分に対してであるのが情けない気もするが、実は考える余地もあるのではないのかとの思いも残っている。

『犬は無駄な吠えや人や他犬に対する攻撃性を決して見せてはいけない』というのが私の根にある考え方である。
一方で、『お互いを知らない人が犬に対して、いきなり訓練を始めてはいけない』というのも常識なのだ。
にも関わらず、私は後者よりも前者を優先させることが多いのを気に留めている。

私は中学の入学式の初日に先生に殴られた。
廊下ですれ違った時に会釈をしないのが悪かったというのだ。
そのようなルールがあることを予め知らされていたら、もう少しうまく振る舞っていたかもしれない。
しかし、その後も体育の時間に「気合が足らん!気合が!」と腹筋をねじ回されてのた打ち回ったし、部活もテニスをやるつもりが「お前の兄貴はトロンボーンやったけど、お前は何にする?」と、強引に吹奏楽部に入れられた。
音楽や理科など他教室へ移動する時は、日直が先頭に立って2列縦隊で移動するという学校で多感な時期を過ごしたのだ。

人と犬の関係を民主的な立場で考えると、戸惑うことが増えてくるだろう。
そこに飼主の誤りと犬の勘違いが生じてくるのだ。
彼らは理性的ではあるが民主的な思考を持った生き物ではない場合が多いことをしっかり認識しておかねばならない。
 

ホームページ今夜で1周年 2005年04月05日(火)

  ちょうど1年前の今日、満月の夜にこのホームページを立ち上げた。
そして365日の内291夜にわたりこの欄を書いてきた。
その率たるや実に7割9部7厘、イチローも真っ青な数字であるが一番驚いているのは私自身だと思っている。

『ありえない』と思っていたことを現実に成し得ても、誰に褒められることでもないから、今夜はせめて自分と支えてくれたKに乾杯しよう!

この1年の間に私が書いたことを読み返してみたら、「なるほど、そうだよなあ」と思える箇所がいくつもあった。基本的に酔っ払って書いているので、あまり記憶がなく他人が書いているような感覚にもなり、日中しらふの時に読み返してみて自分が思っていることと一致するところがあれば嬉しくなってしまうのだ。
続けられたのはたぶん、そのおかげだと思う。

ただ、あまりにも浅薄な知識や経験則に基づいた知見、それに情緒的な判断・主張が多く見受けられるし、カフェのオーナーとして『そんなことまで言ってもいいのかぁ』と冷や汗物の表現もあり、この部分においてはもう少し慎重であらねばならないと感じた。

とはいえ、これとてしらふの時に感じたことであり、50を過ぎた私が今更宇宙飛行士になれるわけもなく大きく人間性を変えることもできない。
これまでに培った事柄を蓄えた『私の脳』と付き合っていくしかないのだが、学ぶことと変化に対して柔軟に判断することは意識しておかねば、只の頑固爺になってしまうと戒めている。

明日からのこの欄をどう続けるかまだ決めかねているが、「まあ、おいおいに、ぼちぼち」と流れにまかせよう。

さて、月曜日の晴天予想は期待したほどではなく、今日まで肌寒い日が続いた。
明日は一気に気温も上がるらしいから、予定の週末までにはガーデンも使えるようになるだろう。
2回目の春に向かってドッグカフェナガサキがスタート!
 

犬育ての真髄 2005年04月03日(日)

  雨と雪の日曜日は営業的には苦しいが、ガーデンの状態は満足いただけるものとは程遠いので心の中で「今日は混むなよ」と願っていた。
「儲かりまっか?!」
「あっきまへんわ!」
そんな感じで、今のカフェに相応な落ち着いた一日だった。
夜になって当たり一面がうっすらと雪化粧していたのには驚かされたが、明日は朝から晴天だというので大いに期待しよう。

カフェの人気者にMダックスのしじみちゃんがいる。
物怖じせず誰とでも楽しく遊べるアイドルで、欠点といえばこの季節になると恋多き『現役のオス』になることぐらいだ。
そのしじみの飼主が「この子は小さい時からいろんなところに連れて行ってるの」と教えてくれた。
「なるほど」と私は頷き、しじみの社会性はやはりそのようなことからも育まれていたことを知った。

盲導犬のパピーウォーキングとは、盲導犬にするために仔犬のうちに訓練する家庭のことではなく、僅か一年の間に様々な人間社会をその眼で見せ、体験させるための制度である。そして社会にデビューした時、物怖じせず、たじろぐことなくしっかりと歩ける犬を育てることにある。

家庭犬も同じ。
広い公園や犬が集まる場所、あるいはドッグランやカフェに出かけるよりも、人が生活する道を歩くことで人間社会をしっかり学ばせることがまずは必要なのだ。
犬たちと遊べなくても全然問題なし!
犬の中で社会化を進めるのでなく、人と暮らす仲間として人間社会の中での社会化をもっと意識していただきたいと思う。

「今日は狸小路をしじみと歩いて、抱っこしてデパートにも入ってきたんだよ」
「注意されなかった?」
「誰も何も言わなかった。注意されたら、えっ?知りませんでした、ごめんなさいって出てくればいいでしょ?」
「マーキングは?」
「しじみは室内ではしませんから」

女の度胸はたいしたもんだ。
「そうか、そうやっていい子のしじみは育てられたんだ」
飼主は意識しなくとも、良い犬の場合は犬育ての真髄をちゃんと行っているのである。
 

愛犬の春 2005年04月02日(土)

  ガーデンのぬかるみは相変わらずだが、積雪は消え北向きブロックの下部に氷を残すのみとなった。
その氷の上を綱渡りするように歩きながら、お泊り犬は排尿便を済ませている。
今夜から明日の午前中までの降水量がどれくらいになるのかが気にかかるところだ。

一進一退を繰り広げながらも春の足音が間違いなく近づいている。
ガーデンの状態もさることながら、その変化は家庭の犬たちにも表れていることだろう。

朝食の前に黄色い胃液を嘔吐する若い犬が増えているはずだ。
生き物が躍動する季節になると、食欲は増進し胃酸の分泌も盛んになる。
そのため夕食と朝食の間隔が12時間近くになると、胸焼けを起こし胃液を嘔吐してしまうのだろう。若く健康な証でもあるが、これを抑えるには夜食を少量与えるか、食事時間を調整してみるとよいだろう。

去勢していない室内犬がペットシーツ以外の場所で粗相をするようにもなってくる。
「これまでちゃんとシートの上でしてくれたのに」とお嘆きの方も多いかもしれない。
しかし、それは去勢もせず『オス犬』と暮らすことを選択された飼主の宿命であり、犬を責めることはできない。

近所でコンビニをやっている方から、そのようなことで困っているという相談を受けた。
彼は困っている内容は詳しく話すのだが、私が説明する中味を理解していないようだった。
「息子がどうしてもタマタマは取りたくないというので、メス犬を飼うことにしました」と先日買い物に行ったら話してくれた。
彼は家族の一員としてのペットと暮らしたいと言っていたからその説明をしたのに、余程注意しないと1年もしないうちに彼の家は犬小屋みたいにオシッコ臭くなってしまうだろうと思った。

この時期になると北海道では犬たちの食あたりが増えることにも注意が必要だ。
解け出した雪の下から出てくる異物や毒草・毒虫を口にすることが多くなるため、とりわけ拾い食いをする犬は被害に遭いやすい。
下痢などの軽症の場合は、次の食事を抜いてゲンノウショウコなど家庭医薬を投与して様子を見ればよいが、顔がボコボコに腫れてきたりする場合は、解毒治療を受けた方がよいだろう。

春になると人には眠気が、犬には食い気と性欲が増すようだ。
 

エイプリルフール 2005年04月01日(金)

  「4月になった、Kも帰ってきた、さあ春だ!」
そう叫びたいのだが、よくもまあ降ってくれたものだ。
昨日までの2日で30センチ近い雪が降り、おかげで4月10日のガーデン開きが不安になってきた。

4月に入った今日も午後から雪が降ったが、ここまでは予報どおりで、なんと来週から本格的に暖かくなるというではないか!
これからは予報を信じよう。
誰が予報しても信じるに充分な時節なのだから。

さて、ガーデンは当分使えそうにないため、カフェの目玉は当然今月のパスタへと移るのだが、今月のパスタはちょっとしたものですぞ。
イタリア帰りのKが地元の朝市で仕入れてきたスパイスがふんだんに使われている『春キャベツのぺぺロンチーノ』という代物で、今朝私も試食してみたが、本場イタリアのパスタよりずっと旨い!
イタリアでのパスタは前菜という位置付けだからわりとあっさりしているのだが、我がカフェではメイン食でもありしっかりした味付けになっている。
さらに我がカフェの面白いところは、今月一杯味が進化するという特徴を備えているということで、今日よりも明日、明日よりも明後日という風に変化を恐れないのである。

また、Kはツアーの僅かな合間を縫ってペット用品の店にも立ち寄り、少しばかりのアイテムを手に入れてきた。
柴犬以下クラスの小型犬の首輪とリードは早い者勝ちで販売するつもりのようなのでご覧いただければと思う。

今日は4月1日。
書いたことにウソはないつもりだが、是非ご確認ください。
 


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