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「2頭目は楽ですよ。それに一頭じゃ寂しくて可愛そうじゃありませんか」 ペットショップでこんな言葉を鵜呑みにし、結果的に騙されて犬を飼ってしまった人は少なくないだろう。
騙すという言葉はチト失礼かもしれない。 ペットショップで騙しを自覚している事柄は他にたくさんあるだろうけど、2頭目を勧める時は(結果的な)騙しよりも無知のほうが先行しており、どちらかと言えば店員は純粋な気持ちで誤ったことを言うから、なお性質が悪いと私は思っている。
昨年、全国の温泉に激震が走ったが、いずれ犬の売買を行っているペットショップにも白羽の矢が立てられる日が来るかも知れない。
今夜はどこか虫の居所が悪いのか、過激な表現がここまで続いてしまった。
結論から言えば、2頭目以降には充分な注意と配慮が必要で、社会生活を愛犬と営む上では問題点が多く潜んでいることを承知しておいたほうが良いということだ。
ショップ店員の言う「2頭目は楽ですよ」という言葉はあながちウソではない。 先住犬が遊び相手になってくれるから、仔犬の頃のアマ噛みで人が被害に遭うことは少ないし、トイレのしつけや、それなりの家庭内のルールも驚くほど早く覚えてくれるだろう。
そこに落とし穴がある。
1頭目の時はすべてのことに人が関わり、犬のために時間を費やし、苦労しながら教え・社会と関わりながら育ててきた。 だからこそ犬は人を信じ、人間社会で暮らす犬として健全に育ってきたのだと思う。 しかし、2頭目は確かに家庭内では楽に育っただろうが、それは犬に育てられ・閉鎖的な群れの一員となり・依存的で排他的なイヌになってしまう割合が高いのだ。おまけに子供の頃には不安な散歩も、群れで行動するから自己処理能力に欠け人間社会での社会性が低くなってしまう。 その結果、一歩外に出ると他犬や人に吠え立て・来客に排他的に振る舞い・先住犬や飼主にベッタリで、社会的には問題児となることが多く、そのことを全く改善しようとせず「いいもん。僕には父ちゃんと母ちゃんがいるもん。他の世界なんか無くてもいいもん。」という態度をとってしまいがちなのだ。
多頭飼いの面白さは犬好きにはたまらないものがあり、性格や犬そのものの発見があって日々退屈することはない。 だからこそ複数頭の犬と人間社会で暮らしたいとお考えなら、2頭目以降の愛犬には意図的に手をかけることを厭わないで欲しい。 せめて散歩は二人で出かけるように。
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