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擦り傷程度の傷を治療された時、犬はどんな反応をするだろう? 1.ピクンと反応し(ガタガタ震え)ながらも身を委ねる(我慢する)犬 2.キャンと泣いて逃げようとする犬 3.ガブッとくる犬 4.痛さ以上に精神的にパニックになる犬
擦り傷の程度や感受性にもよるから一概には言えないが、せめて自分の愛犬は1か2であって欲しい。
唐突な話になってしまったが、Hクンのあら捜しをした結果、4であることが今日分かった。 別にだからどうってことではない。これから人と暮らす中で信頼性が育まれればすぐにでも1の反応を示してくれるだろうから。
こんな話になったのは、今日までのところどうみても『家族を日々傷つける』素因をHクンに見出せないからだ。 予想できるのは明後日トリミングの際に行う、爪切りと耳掃除それに肛門腺処置を嫌がるであろうことぐらいで、それすらも『犬並』程度だと思っている。
となれば、やはり家族に対する接し方のアドバイスが中心とならざるを得ない。 「どんなアドバイスをしようか?」と私。 「どんな接し方してるのか、実際の生活を見ないと分からないよ」とアドバイザーK。 私には簡単にできることであっても、飼主にできないことをアドバイスしても意味が無い。その辺のところをKは普通の主婦感覚で私にアドバイスしてくれるのがありがたい。
もう一頭の『噛み犬お泊り犬』MダックスのTクンは、二日目の今日カフェで本性をあらわし、セールスマンに凶暴に吠えかかり、制御した私を何度も噛もうとひどく暴れた。 ご来店中の方々には驚かせご迷惑をおかけしたが、『噛みの矯正』のためにお預りしていたので、千載一遇のチャンスを見逃すわけにはいかなかった。 Tクンにとって初めての体験であったろうが、これまで飼主の家族を血まみれにするような暴挙を繰り返し、場合によっては君の生命をも危うくする態度は心身ともに健全な君に許されることではないのだ。
誤解されやすい事柄を書いてしまったが、Tクンはこれまで何度も来店し、家族の苦悩・Tクンが噛む原因などを私はほぼ理解していた。 原因の半分は犬種と血統、残りが家庭の事情による育成環境である。 『だから噛んでも仕方がない』ではなく『人を噛むことはとんでもないことなのだ』をTクンに示し、家族には『Tクンがそんなに頑張らなくてもいいような接し方』をアドバイスすることになると思う。血統的なことがあるからある程度の折り合いはつけなければならないだろうが…
みんな愛犬との楽しい生活を夢見て暮らし始めたのは間違いのないこと。 しかし現実にギリギリの状況に追い込まれている人と犬がいる。 そんな人と犬の行動学上のトラブルが私のところに持ち込まれる。 切羽詰っているから教育という時間はかけられず、私流の『制御』で犬自身に考えさせ、飼主にアドバイスする。
犬好きの私にとって、影の部分と日々闘うエネルギーが必要なのだが、それはカフェの犬たちが与えてくれるし、昼間『制御』したHクンやTクンが、今、信じられないようないい子で私の部屋で遊び・寝ている姿なのではないかと思っている。
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