From the North Country

残り少ない日々 2004年08月18日(水)

  先日パピーウォーカーのKさんご夫妻が愛犬シェリーを伴ってカフェを訪ねてくださった。
4〜5年ぶりの再会だったと思う。
初めてパピーをされた時に、ご夫婦とも熱心に講習会に参加されておられたから、忘れっぽい私でもすぐに思い出すことができた。
1頭目のパルはややハイパーでKさんは相当苦労されていたが、穏やかなKさんの家庭で育てられたことで感受性の高い優しい犬に育った。

去年から預かっているシェリーはそのパルの子供だと伺った。
「全く手のかからない子で、とても育てやすかったんですよ。」と仰っていたがパルを育てた経験がそこに反映されていることは間違いないだろう。
一度でも自ら学び育てた経験をもつと、次に生かされるものだし、しかもパピーウォーカーを経験していると性格の違いによる接し方なども講習会など他の犬を見ることで知らず知らずの内に学ぶことができただろうから。

「この子は弱いほどに気が優しいから、たぶん合格しないと思います」とKさん。
確かにガーデンでの行動を見ていると、やや引き気味であった。でもその動作には穏やかさと思慮深がさがあり、とても暮らしやすそうでもあった。
適性検査に合格して訓練に入ったとしても、性格が弱い犬の場合、例えば駅の自動改札口などに不安を示し、ご主人の後ろに隠れて「あなたから先にどうぞ」などと盲導犬らしからぬ態度を示してしまうことがある。
シェリーがそうかは全く分からない。犬たちは日々成長し変化を受け入れ対応していく動物である。

「落ちたら引き取ろうと思っています」
北海道の50軒近いパピーウォーカーが、Kさんと同様に心を揺らし始める時期が迫ってきた。
来月の5日が犬たちとの別れの日である。
あと3週間を切ってしまった中で、それぞれの家庭ではいろんな思い出作りと心の準備が急ピッチであるいはしんみりと進められているはずだ。
Kさんはその一コマにとカフェを訪ねてくれたのだろう。

検査の結果を私が予見させることはできない。
「この子となら誰が暮らしても楽しいでしょう」
無難で正直なひとことを言うのが精一杯だった。
 

元気で、蜜柑! 2004年08月17日(火)

  柴犬の蜜柑が大阪に引っ越してからちょうど1週間が経った。先週の火曜日に「明日引っ越します」とご両親と共に最後にカフェを訪ねてくれた。

今年の3月に、生後9ヶ月の蜜柑がやってきた頃はガーデンにかまくらがあり、寒さ知らずの犬たちが所狭しと駆け回っていた。激しい体当たりもあり、一つ間違えば知らない犬同士の場合、トラブルも予想された。
そこに『売られた喧嘩は買いやすい』柴犬が登場したので、私は注意深く他犬との相性を確かめた。
それがとりこし苦労だということはすぐに知らされた。
蜜柑は大型犬の中でも臆することなく駆け回り、注意深くはあったが共に楽しむことを是として、果敢にしかも相手を怒らせることなく遊びを誘いながら、ガーデンの一員となっていたのである。

当初は甲高い声をあげ、興奮を伴うとあま噛みをする子供っぽさが残っており、Mさんにしょっちゅう叱られていた。そんなことにめげる様子は一度も見せず、蜜柑は様々なタイプの犬を知り、遊べる犬・距離を置く犬・からかえる犬を見分けて対処するようになった。

カフェには最近、オールマイティーに遊べる犬が少なく、「私、そんな激しい遊びはあまり好きじゃないの」という犬が多くなっている。
「わぁ!面白そう!遊ぼ!遊ぼ!」というようなワンちゃんが現れた時、蜜柑はとても役に立ってくれた。
Mさんもカフェが気に入ってくれたようで、毎週のように時には連日ご主人やお友達を誘って訪ねてくれていた。
だから、蜜柑の引越しは看板犬と顧客の両方を失う痛手であった。

北海道では夜になるともうストーブを焚いてる地方も出てきたよ。
クーラーはもう付けて貰ったかい?大阪の住み心地はどうだい?
元気で暮らすんだよ、蜜柑!
 

それぞれの時期 2004年08月16日(月)

  夏の疲れを払拭すべく、昨夜は9時に寝て7時に起きたら、今朝はすこぶる快調である。やはり生物はどこかで帳尻を合わせるようにできているらしい。そのような休息が自分の意志でいつでもできる環境にあることが嬉しい。

お盆が過ぎて自分たちの自由な時間を気ままに過ごそうと思われる人が多かったのか、午後遅くになって初めての来店の方や久しぶりにカフェを訪ねてくださる方たちと楽しい時間が過ごせた。

ラブのダイヤちゃんはお母さんが心配しているほどやんちゃではない。子供を産ませたいらしいが、それに相応しい母犬になれると思う。ただ、生まれた仔犬の行き先を全く考えておられないのが難点だ。
「ペットショップで引き取ってくれるんでしょうか?」との問いかけに、Kは
「自分の子供がどうなるか心配じゃないのですか?」と気色ばんで問い返していた。
ペットショップで陳列され、誰もいない夜を狭いケージで送り、トイレも無念の思いでケージ内でせざるを得ず、売れ残れば管理センターに持ち込まれて処分される現実を、我が家の愛犬スーの仔犬たちのことのように置き換えて考えてしまったのだろう。

Aコッカーのココちゃんは5ヶ月の仔犬らしく元気一杯であった。ご主人一直線で他人や他犬を無視し、時に傷つけてしまうコッカーの話をよく聞くが、今のココちゃんは社交性豊かで邪気のない素直さが漂っていた。
トイプードルのマロンちゃんもしつけのことで心配されていたが、まだ7ヶ月のプードルが何でも分かったような犬だと面白くも何ともないはずだ。
どちらも今は、人に寛大で信頼感を持ち、世の中の多くの物事を良心的に見て学ぶ時期である。
その結果しつけや訓練が多少遅れたとしても、暮らしやすさや以後の伸びが違うことを分かっていただきたいと思った。

黒ラブのジャックは、社会経験の時期を無事終え、そろそろしつけに入るべき年齢であり、その素質もすばらしいものがあるように思えるのだが、仔犬時代のおチャラケた気持ちをデカくなった図体の今も引き継ぎ、飼主に大いに甘えながら小バカにしているところがあった。
大きな事故に結びつかなければと願う。

それぞれの成長に合わせ、小さなことには目をつぶる時期もあれば、大目玉を食らわすこともある。
身体の健康と共に心の健全さに配慮し、人間社会で暮らす素敵な愛犬を育てて欲しい。
アドバイスを求められればできる限りの対応をしたいと思っている。
その為に心と身体のバランスに必要な帳尻合わせのような休養が人間にも求められているのだ。
 

近所迷惑 2004年08月14日(土)

  近所の家の2階から、キャンキャンという犬の鳴き声が三日三晩続いていた。暑くてどうにもならない時期だったので、窓は開け放たれており周辺の方は相当イラついていたに違いない。
家人は在宅のようだったが、何をどうしていたのか、あるいは何もしていなかったのか窺い知ることはできない。
ただ、ブロック塀には『柴犬の仔犬を有料で譲ります』という張り紙がしてあった。
犬の声がうるさいことに初め私は不機嫌であったが、その声には悲痛とも思える響きがあり、どう考えても朝から晩まで吠えつづけることが信じられなかった。
家人に何事かが起こっているのではないかと、玄関先まで訪ねてみたら、先客がいて注意を与えて帰るところだったらしい。
しかし翌日もその翌日も鳴き声は続き、次第に飼主に対する怒りが込み上げてきた。
夜には居間の灯りがつき、その対角線上にある2階の暗い部屋から鳴き声が続いていたのだ。
「明日になったら動物虐待で通報しよう」
そう決めた夜に、犬は静かになった。
引き取られたのか、家族がちゃんと世話を始めたのか、それとも・・・
とにかく嫌な3日間であった。

ドッグカフェを営んでいる以上、私も近隣の方々に様々な迷惑をかけているかもしれない。
心しておかねばならないと肝に銘じた。

次の日の夕方、愛犬スーと公園に散歩に出掛けたら、向こうの丘から「ギャーンギャーン」と鳴き続ける声が聞こえた。気になった私が道路を越えて向かうと鳴き声はさらに激しくなった。しかし道は行き止まり、戻リ始めた私にKが言った。
「キツネだよ!」
振り返るとキタキツネが声のする方へ心配そうに歩いていた。
 

カフェの初盆 2004年08月13日(金)

  カフェをオープンして1年も経っていないので、利用状況を知るために定休日の木曜を除き、大晦日も正月も休まず営業してきた。
そして今日から初盆?を迎えた。
「よし、来年は犬の預かりだけにしてカフェの営業は休もう」などと話していたら、墓参りを済ませた方々が人気のラーメンサラダや特製カレーを食べに来てくださった。
ガーデンでは預かり犬たちも加わって盆踊り並みの賑やかさがあり、本当に涼しくなった北海道の夏のひと時を犬たちと楽しむことができた。

2頭でお泊りのMダックスのモカ&モナカは神経質でよく吠えるし、外ではトイレもできず、お散歩嫌いだと言われて預かった犬たちである。
確かにそのとおりであったが、2泊を過ぎてみると、ガーデンではほとんど吠えなくなり、お散歩は楽しみにしている様子で、リードを見せただけで喜んで足元に駈け寄り、悠々と歩き始めるようになった。
そして最後の夜を迎えた今夜、12時前に最後のトイレのために庭に出てみた。
冷たい空気を思いっきり吸い込み、満天の星空を眺めながら、軽いストレッチをしていると、モカ&モナカは時間をおかずに立派なウンチをし始めたのである。

訓練を依頼されたわけでもなく、ただのお泊りであったけど、明日の夜帰宅してから
「あれ?あなたたち何か変わった?いい子になったねぇ」などとちょっとでも変化に気付いていただけたら嬉しいなと密かに思っている。
 

お泊り犬に思う 2004年08月11日(水)

  お盆が近づき預かりのワンちゃんが増えてきた。増えるといっても我が家では一緒に室内で暮らすというのが基本であるから、1日せいぜい3〜4頭が限度なのだが、それが数日続いているという意味である。

「お泊りは初めてなので心配です」
「吠えるので迷惑をかけるかもしれません」
「悪戯盛りで・・・」
お預けされる方々には、それぞれに心配がおありのようだが、いざ一緒に暮らしてみるととてもいい子達である。

自宅の居間という生活空間が犬たちをリラックスさせるのか、食欲も旺盛だし、数時間もしないうちに我が物顔でガーデンを走り回っている。
無駄吠えやいたずらはここでは厳禁だからピシャリと意思表示をし、散歩の時も引っ張られるのは嫌だからそうさせないでいると、2回目からは随分楽に歩けるようになる。

警戒心での吠えは遺伝的な面が強いから、1声2声はやむを得ないこともあるが、後続は断つことができるし、要求や無駄吠えはしなくなる。

快適な空間、我慢させることのない間隔のトイレタイム、美味しい食事、人と関わる時間等、与えるべきものを与え、我が家でのルールや一貫して拒否すべき行動をはっきりと意思表示すれば、室内で平穏に楽しく暮らすことができることがはっきりしてきた。

たぶん、一貫性の妨げとなる小さな子供がいないことが幸いしている。
恐らく、毅然とした態度の妨げになるじいちゃんばあちゃんがいないことも幸いしている。
ひょっとしたら、犬と酒・たばこ以外に趣味のない性格さえ幸いしている。
そして絶対に、優しいパートナーのKと愛犬スーの立ち振る舞いが幸いしている。

預かりの犬たちも自宅に戻れば、いつもの犬に戻るのだろうが、何も悲観することはない。
犬たちは生活するそれぞれの環境の中で、とても素直に生きているからだ。
子供がいる家では、確かに落ち着きなくいたずらも多いが、子供と犬が折り重なるように眠りに落ちている姿ほど微笑ましいものはない。
陰でこそこそと自分のおかずを与えるじいちゃんばあちゃんからは「人生何が起きるかわからんのじゃから、そうピリピリしなさんな」という人生訓が聞こえてくるし、犬たちも手加減をしたちょっかいをかけている。
来客にはワンワンうるさく吠えるが、ご主人の車の音を聞き分けて玄関ではしゃいで出迎えてくれる姿は、働き詰めの男にしか分からない、ちょっと切ない喜びがあるものなのだ。

犬は育てたように育つが、人の都合の良いようには育たないものである。
 

うれションについての考察その2 2004年08月10日(火)

  『うれション』をした時に叱ったり大騒ぎすることは、次のうれションを誘発し強化するということを書いた。その行為が意図的ではなく、場合によっては強い服従行動から発しているからだった。

そこで今夜はその対応法を考えてみることにする。

1.基本的にはおねしょと同じように長い目でみるという心構えが必要である。

2.叱ったり大騒ぎしなくてすむように、オス犬にはマナーベルト、メス犬には生理用パンツを日頃から穿かせておく。マナーベルトの代わりにペットシーツを適当な幅に裁断して、おチンチンを包み込む腹巻のようにして背中でガムテープで止めてもよい。
これによってうれションは床を汚さず、シーツやナプキンに吸収されるから、イライラしなくて済むだろう。

3.うれションをする犬は気が優しく、怖がり屋さんで自分に自信が持てていない。だから不安な散歩ではなく楽しい散歩や遊びに時間を費やし、成長に見合った社会経験を積ませよう。
やれそうなことを訓練し自信をつけさせるのもよい方法だ。

4.帰宅時や来客時には犬を少なくとも3分は無視しよう。真っ先に出迎えてくれる犬を無視することは難しいかもしれないが、せめて落ち着いた声をかける程度にし、決して触ってはいけない。

5.着替えるなどして3分が過ぎたなら、ソファーなどに座り、手をだらんと下げ、犬のほうが寄ってきて手に犬の身体が触れる状態で撫ぜてあげる。
犬にとっては大男/大女に見える人間が、テンションが高くなるような嬌声を上げたり、覆い被さるように犬を拘束し抱きかかえるような態度はとってはいけない。

恐らくこれらの方法でいずれうれションは解決するだろうが、そもそもの原因は、犬の成長に見合った社会経験と人に対する信頼を身につける前に、その犬の許容範囲を超えた刺激を与えたことにあると思う。
そんな意識をせずとも普通に育つ犬もいれば、感性豊かでつまずく犬もいる。ご自分の愛犬をよく観察し、適度な刺激を与えて精神的にしっかりした犬を育てることが肝要だ。
 

真夏の夜に 2004年08月09日(月)

  家のどこかが燃えているのではないかと、台所や1階のカフェを見回りに行った。
誤って犬たちがストーブのスイッチを入れたのではないかと点検もして回った。
何処にも異常がないことを確かめ座り込んだら、イライラし無性に腹が立っている自分に気付いた。
今宵の暑さのせいである。

厳寒の冬を越す北国の人は忍耐強いように言われるが、私からすれば南国に住む人々が、夏の暑さで些細なことにキレないことの方が不思議に思える。
ひょっとしたら冬よりも夏、北欧より中東やアフリカ等のほうが些細なことでのトラブルが多いというような統計は出ないものだろうか?などと考えてしまう。

「夏だから暑い」と前もって分かっている人と「夏でも涼しい」と保障されたわけでもないのに思い込んでいる人の違いがあるのだろう。
だが待てよ。もし南国で冬の気温がマイナス10度や15度になったら、私のようにイラつく人間が増えるだろうか?
やはり暑さの方に分が悪いのではとも思ってしまう。

本当は今日『うれション2』を書く予定でいたが、前置きを書くうちにその意欲は暑さと共に萎えてしまった。
犬たちのように自然界の出来事に泰然とし、与えられた環境に愚痴一つこぼさぬ生き方を私はもっと学ばねばならない。
少しでも冷たいコンクリートの玄関で身体を冷やす犬のように、私も今夜は冷たいビールを飲みながら体を休めることにしよう。
 

うれションについての考察その1 2004年08月08日(日)

  一昨日からお泊りだったMダックスのクーちゃんのおかげで『うれション』について考えることができた。

一般的に『うれション』と呼ばれているが、そこにはただ嬉しいだけではない心理的な要素が複雑に絡んでいるように思う。
その両極端は、狂喜と恐怖による失禁であり、中間にあるのが喜びと不安が交じり合った服従行動であろう。
犬社会では強者に楯突く意思がない場合、お腹を見せたり低い姿勢をとって排尿することがある。
ここで注意すべきことは、意図的に排尿するのではなく、出てしまうと捉えたほうがよいということだ。
カーミングシグナルという言葉が一時流行っていたが、犬が緊張した場合、あくびをするとか舌を出して鼻の辺りを舐めるとか、首を掻いたりして相手に対し「そんなに緊張させないで下さい」と意図的にシグナルを送っているように思われがちだが、そうではなく緊張状態になるとあくびや舌なめずり的な反応が出てしまうと考えるべきである。

うれションが失禁であり、意図的ではない服従行動であるとするならば「わあ!ダメ!ダメ!」「大変、大変!雑巾、雑巾!」などと叱ったり大騒ぎすることは、犬に更なる緊張感を与え、うれションする度にそれをさらに強化して次回のうれションに繋げていることに気付かれるだろう。

興奮度が高いのと柔な性格がうれションに結びつき室内生活での問題行動となっているが、うれションをする犬は服従性や感受性が高い心優しい犬である。
厳しく接すればこの問題行動は長引き、子供のおねしょ程度に大らかに対応すればいずれ解決されるものだ。

と、ここまでを読み返して自分の主張に疑問を感じ始めている。
「失禁」についてである。
急に立ち上がったり、恐怖の時に失禁するのはテレビドラマでよく見かけるから本当なのかもしれないが、狂喜乱舞した時にも人は失禁するものだろうか?
もし、喜びの時には失禁しないのなら『うれション』というものは存在せず、ただただ犬が不安を感じ、人に媚びへつらっているだけになってしまう。
いや、恐らくはそうなのかもしれないと感じ始めた。
人は失禁しないのに犬はするはずはないだろう。

喜びの時、失禁することをもしご存知な方は是非お知らせ願いたい。

ともあれ、次回は具体的な対応法について考えてみる。(つづく)
 

七夕 2004年08月07日(土)

  「ローソク出ーせ、出ーせよ!出ーさぬと引っ掻くぞ!おーまーけーにかっちゃくぞ!」
カフェを閉店した途端、浴衣姿の子供たちが現れ、突然このような口上を述べ始めた。
一瞬ポカンとした私だったが「そうか!七夕か!」とはたと気付き、豆菓子と先日のイベント時に頂いた飴を小袋に入れて渡した。

東北以北では1ヶ月遅れの七夕を祝う習慣があり、仙台の祭りが特に有名であるが、ここ里塚緑ヶ丘にも子供たちの素朴な習慣が根付いていることに微笑みたくなった。
短冊は笹ではなく柳に結わえるのも北海道の特徴である。

さて、困ったのはその後からだった。
5分もしないうちに次のグループがやってきては、口上を述べ、さらに5分後にも次のグループが来る。
徐々にお菓子は底を尽きはじめ、私は落ち着きなくカフェをうろうろしながら窓から外の様子を伺うようになった。
「犬のおやつを渡すわけにもいかないよな」とつぶやきながら、終いには息を潜めている自分に気付きケラケラと笑い出した。

昨日からお泊りのMダックスのクーちゃんは触るとオシッコを漏らしてしまうし、同じくお泊りのヨークシャーのチョコちゃんは注意してないと踏んづけてしまうくらい小さい。そのうえ、北海道とは思えない暑さも続き、スタッフには犬たちを触った後の手指消毒や食品などに対する衛生管理を徹底している。
そんな緊張感の中で今日一日を過ごしたものだから、閉店後の七夕の出来事は私を一瞬緊張させ、その後和ませてくれる楽しい時間となった。

愛犬家に信頼され地域にも根ざしたカフェになるよう、そして働く我々自身も楽しめたらいいなと七夕の夜に思った。
 


- Web Diary ver 1.26 -