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夕食の時、私のパートナーがふと漏らした言葉から話が弾み、話し込むうちにお互いを妙に納得させられた。
「犬をどう見てるかで犬は変わるよね」 私は大きく頷きながら「本当にそうだなあ」と思った。
私のカフェでは滅多にいないが、犬を見て「おう、よしよしよし」と頭を撫ぜる人は多い。 恐らくその程度にしか犬を見てないのだろうと思う。 なんで、犬がいただけで「おう、よしよしよし」なんだ?こういう人に限って次は「はい、オスワリ!お手!よーしよしよし」と続く。 たぶん、その瞬間に犬は「ああ、こういう人なんだ」と思うかどうかは別にして、その人に合わせた犬としての反応を示すようになり、声をかけた人も満足すると思われる。
散歩から戻り、足を洗おうとすると犬は動いたり不都合な行動を取るものであるが、「ちょっと待って!次は右手でしょ!そうえらいね。はい、次は後ろ」という会話と毅然とした態度を示すことによって、犬は戸惑いながら、始めは無視しつづけながらも徐々に言葉には意味があることを知るようになる。
前者の飼主は、犬を生きた付属物のように取り扱い、「家の犬はおりこうで、たいしたもんだ」と可愛がるのに対し、後者の飼主は「まだ私が言ってることの意味がわからないの?そう、そうでしょ。えらいね」と、言葉の意味を教え続ける。そしてそれぞれの飼主の接し方によって、犬は今後の行動と頭の働かせ方を学ぶのだと思う。
前者の飼主に罪はなく犬をスポイル(台無し)にすることもないが、発展性もない。後者の飼主には、犬に対して言い聞かせることばかりして、意思の疎通の行き違いが発生したり、過度な要求をする危険性もあるが、犬のことを分かっている人には、お互いの疎通のためにコミュニケーションは当たり前のことである。
これらのことは、たぶん余程の男でないと分からないことであり、普通の女にしかできないことなのだと思う。
犬はあなたが思っているほどの生き物ではなく、あなたが思っている以上の生き物です。どちらかと言えば想像以上のパートナーでしょう。という意味をこれからも発信していきたいと思う。
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