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“暮らしやすい家庭犬”の定義は簡単だ。
家庭内はもちろん、地域社会で普通に受け入れられ、知らない社会(カフェや宿泊施設、公共施設など)に連れ出しても、排泄や振る舞いなど周囲に不快をもたらす行為を自制できるわんこと簡略的には言えよう。
だが、『暮らしやすい家庭犬』の“飼い主”の定義はとてもやっかいで、長い間私はこの人たちに苦しめられてきた。 中には専門家と呼ばれる人々も多く含まれている。
わんこはシンプルで育てたように育つのに、飼い主は面倒臭く胡散(うさん)臭いし、わんこのように変化に対応できないのだ。
だから、標記のテーマでわんこ育てを書く意義があるのかどうかすこぶる疑わしいのだが、中には純真だったり、必死だったり、変わり者だったりの人もいるかもしれないので、せっかく得た私の40数年のわんこ育ての『常識』と『わんこに対する考え』を書き留めておこうと思う。
折を見ての更新となろうけど、酔い潰れる手前まで『書くときは書く』のスタンスが維持できたらいいなと思っております。
さて、まずはじめにはっきりさせておかねばならいことがある。
1.『暮らしやすい家庭犬』と聞いて、「おう、うちのわんこにはスワレ!フセ!オアズケ!イケナイ!ノー!ヨーシヨシヨシを教えている』が自慢になってる人間はすでに終わってると思いなさい。 あなたは家庭犬を、猟犬や外飼いのイヌのように支配下に置きたいタイプで、暮らしやすい家庭犬とはちょっと、否、かなり違うのです。 勤務先や家庭内で辛いことがあるのですか? 思い通りになる相手が欲しいのですか? 例えばお宅のわんこドッグカフェや宿泊先でまともに過ごせないでしょ? そんな場所で大声を出して指図するのですか? 言われてみれば、そんなことが癖になってると思いませんか?
あなた自身を見てごらんなさい。 ・あなたがいつも気を張ってなきゃ、いけないのですか? ・指図するあなたはまだいい方かも。 失敗そのものを気にしない人がいたり、注意されると開き直る人もいるし、ね。 ・失敗そのものに気づかないよなめでたい人もいるからね。
面倒臭いのは飼い主だと言ったでしょ。 気づかない人間は本当に傷つけるような言い方をするまで気づかないのです。 気づかせた挙句人間関係破綻では、どうなのかな? だから次に行きましょう。
2.暮らしやすい家庭犬の“育て方” 育てるというのは、生育期間中の行為というのを忘れてはいけない。
人間の子供は10数年をかけて育てるのだが、わんこは1年もせずに肉体的にその域に達してしまう。 育てるというのは飼育とは違い、社会的精神的成長に関わる行為であろう。 つまり、わんこ育ては成熟するまでの最初の一年が育て時期であると言える。 このことはとても重要であることを忘れてはいけない。
1才を過ぎて問題行動が出た場合には『育て直す』ではなく『更生の道を歩ませる』ことになるのだ。
“育て”と“更生”では明らかな違いがあり、関わる人間のエネルギーや経済効果その達成率にも大きな誤差が生じることになる。
だから私はわんこの更生の道ではなく、仔犬の頃からの育ての極意を伝えたいと思う。
生後8週令以下の仔犬の販売を規制させたり、長く親兄弟と暮らした方がいいとか、公的機関や愛護団体が言ってるけど、あんなのは科学的と言いながら数十年後には『実はこうでした』という類いの発言だと私は断言する。
詳細はおいおいと。 潰れる前にお開き、がお約束。
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