From the North Country

やっと乗り越えた冬 2013年05月07日(火)

  ようやく雨のGW明けとなった今日は期待していたほどの天気にはならず、予報以下の寒い一日だった。
カフェの集計では、昨日までの12日間連続で、雨か雪か寒さが続いたことになる。
そして〆の昨日が一番の雨だった。
だからこそ、今日に大いなる期待があったのだが…

こんな愚痴も今日限り。
明日からの3日間は、晴れの暖かい日が続くと信頼できそうな予報になっていてわくわくする。
多くの北海道民の心からの気持ちだろう。

さて、今年の冬『あれ?そういえば』と感じたことがある。
以前まで、冬になるとカフェのお客様の主体は中・大型犬だったのに、近年はそんな気がしなくなっている。
小型犬が普通にいて、ガーデンで走り回ったりカフェ内でくつろいだりしていた。

暖冬小雪だったわけでもないし、冬には小型犬に暖かい服を着せる習慣は以前からあったから、きっと飼い主さんの意識がちょっとだけ変わったのかもしれない。

だとしたら、とても良いことだと思う。
せっかく社会に慣れてきたわんこが冬になってひきこもり『家庭こそが自分の世界』だと感じると、排他的グループ意識が強まって吠えたり威嚇的になると思われるからだ。

1年を通して人間社会を経験することで、わんこたちは順調に成長していく。
ましてや仔犬の1年は人間でいえば思春期までを一気に駆け上がるのだから、北海道で半年近くある寒い時期にひきこもっていては、とりわけ小型犬たちは“家と家族がすべて”の世界に陥り易くなり、現実の社会を受け入れづらくなる。
結果、春になって外出すると接近するものに吠えたり、極端な場合、避難所で家族と生活できなくなる。

大型犬の場合、日々の生活や散歩の中で『もしこの子が身勝手なことをし続けたら…』との危機意識が飼い主には芽生えるから、制御ができるできないは別にして飼い主は“必死”という思いを成長過程で経験する。

だって、吠えるからと言って抱きかかえることもできないし、興奮しあるいはあたふたしたわんこを踏みとどまらせることも体力勝負になるでしょ。

一度大型犬を育ててごらんなさい。
その後に飼った小型犬のしつけがとっても楽になりますよ。
わんこの問題じゃなくてあなたが逞しくなっているはずですから。

明日からの晴れは、やっと育てきった時の大型犬の飼い主の喜びに似てるような気がして待ち遠しい。
 

GWに思う 2013年05月04日(土)

  まぁ、なんと申しましょうか。
GW前からカフェ周辺は、雨・雪・強風・寒さ満載で、予報ではGW明けの7日火曜辺りから雲の間に晴れ間が見えると賜っております。
それでも最高気温は11度前後というから、期待してよいのやら悪いのやら…

もちろん誰も天気予報なんてあてにしてはいませんがね。
だって、数日前までGW後半は晴れマークの予報でしたから。

ところで、『下の駐車場の雪』ですが見事に雪渓となって今でも1メートル近く残っております。
まさかGWまで残るとは冗談でしか言えなかったのに…
ここまで来たら残雪保存委員会?としては『今月末まで頑張れ!』と応援したくなる。

さて、おかげさまで警戒していたGWのカフェの混雑は回避され、いつも通りの穏やかなカフェの時間となっており、めでたし・めでたしとの空気が充満。で、ちょっとだけ心配。
複雑だけどOKってとこでしょうか。

それにしても全国にある“わんこOK”の施設、『よくやってるよなぁ』って感心してしまう。
GWに客寄せPRまでして、どうやって無事に乗り越えているんだろう?
わんわん・ギャンギャンうるさいだろうし、まともな利用者や近隣の迷惑にもなるだろうし、もちろんトラブルもあるだろうに…?
同業者なのにとても理解できないのは何故?
どなたか教えていただきたい。

私にはGWを境に、それまで『わんこOK』の施設が撤退し、無知で無垢な新たな施設がオープンして均衡が保たれているとしか思えないのだが…。

撤退しないために我がカフェは地味に頑張ってる。
たぶん気苦労しているのは、わんわん・ギャンギャンやトラブルのないのが当たり前のカフェだからかな?

どさくさに紛れて何でもありが当たり前なら、カフェの名前は『西部開拓史』か『カフェ(わんこ)ノミクス』にしたかも。
 

ファーガス基金2013年4月 2013年04月28日(日)

  '12年9月20日開設:目標額150万円

【入金報告】
4月01日受取利子:24円
4月16日古○恵様:5,000円
4月19日オ○バ○ウコ様:1,000円
4月26日カフェ募金:21,883円
      
4月26日までの中計:434,641円
目標額まであと:1,065,359円

これからもたくさんの方々の月々のご支援をお願い申し上げます。
振込先
※ゆうちょ銀行(郵便局・郵便口座)からは
記号;19050 番号;33999621
※他金融機関からは
【店名】九〇八(読み キュウゼロハチ)
【店番】908
【種目】普通預金
【口座番号】3399962
名義は郵貯銀行の規定上、『介助犬ファーガス』で開設できないため、ナガサキフミアキとなってしまいますが間違いなくファーガス基金として管理いたしております。
なお、この基金について詳しいことをご存じない方は、このページ上部にある『タイトル一覧』をクリックし’12年9月20日・29日付のこの欄をご覧のうえご支援くだされば嬉しく思います。
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新米ゆえの緊張からか1カ月半ごとに体調を崩していた介助犬ファーガスでしたが、I先生の助力で体調はパーフェクトに保たれ、北海道でもとりわけ厳しい今年の冬にも係らずファーガスはNさんの生活を助けることができました。
おかげでNさんは逞しくなり、不安いっぱいで始めた仕事にもやりがいを感じ成果を積み上げて、職場から表彰までされたそうです。
Nさん、応援している私たちもうれしいですが頑張り過ぎないで!
子供たちを育て、あなたが前を向く手助けをしているファーガスのことは私たちがちゃんと支援しますからね。

昨年の5月9日にNさんのもとにファーガスがやってきた。
もうすぐ1年。
ちくしょう!宝くじが当たっていたならすぐにファーガス基金が完了したのになぁ…

ま、いいっか。あと百万ちょい気長に頑張りましょう。
是非ぜひ、今後ともご協力をよろしくお願いいたします。

実はカフェのお客様の凄い所は、まだあるんです。
カフェのレジにはファーガス基金のほかに私が25年勤務していた協会の盲導犬募金“ミーナの箱”も設置してあるのですが、先日回収に来られ、後日届いた領収書には12,147円の数字がありました。

在職中の私の経験から言えば、ひと箱に2,000円あればありがたい募金箱ですから、これもすごい協力なのです。

小さなカフェだけど、お客様に恵まれているからこれからも小さな支援を積み重ねていきたいと思っています。

さて、GWというのに知床の方では42センチの積雪があり、カフェ周辺では吹き飛ばされそうな強風と冷たい雨が降り続いている。
自然は何処までも冷酷ですな。

それでもカフェにはそれなりのお客様が見えて『この位で丁度かな』と思わせてくださっている。
『稼ぎ時!』という観念は我がカフェにはないから、無事平穏にこのGWが過ぎてくれればありがたい。

雄ちゃんシェフの料理も、いつの間にか手が込んできたからお出しするのに時間がかかるし、厨房は“ドッグカフェ仕様”で狭く機能性もない。

もし、もしもたくさんお客様が来られても『ガーデンでしばらくお待ちください』と言える天候でもない。

ああ、私は何を言ってるのだろう。
これでヒマな日が続いたらKからこっぴどく叱られてしまう。
 

オヤジのスキンケア 2013年04月26日(金)

  お泊りわんこのいない昨日今日の定休日を、家族水入らず洞爺湖温泉でのんびりと過ごさせていただいた。

温泉からあがると、脱衣場に備えてあった“乳液”とやらが気になり、周囲を気にしながらも顔に塗ってみた。
干からびた顔がすべすべになりしっとりとする。
それが気に入って、4回の入浴の都度塗りたくってみた。
すると、触れるたびにもちもちとするではないか!
しまいには、触れた手が吸い付いてしまうような感触を得た。

そのことをKに話したら「普段使ってないから、薬みたいに効いたんだね」と羨ましそうに言う。
そんなもんなんですかね?

帰宅後の買い物でKが、別の『乳液』商品を買ってきて洗面台に備え付けた。
しばらく試してみろということらしい。

でもボクは普段、日に何度もお風呂には入らないから、そんなものを塗りたくる機会はない。
あれって入浴しなくても洗顔しなくても塗っていいものなんでしょうか?
ともあれ明日からの顔肌が楽しみだ!

年を取れば明るい派手な服を着ろという。
それって男には恥ずかしいから、誰にも見えない乳液ぐらいは塗って、肌の若々しさを保てというKの指示なのかもしれない。

そう思って自分の顔を触ってみた。
いつもよりはつるつるしっとりで弾力があり、言われてみれば確かに吸い付くような感触もあったが、そこにはシワの段差とざらざらチクチクするごま塩ひげが生えていた。

せいぜい頑張っても、そこにあるのはオヤジの顔に変わりはない。

『やらないよりマシだべ』っていう声がきこえる年になってきた。
『ただいま工事中!』という朝の女房の言葉の意味が理解できる年にもなってきた。

チャレンジしてみるか、アウトドアが好きな男のスキンケアを?
ただし決してお触れにならないように…

明日からGWのカフェの営業。
なんと“下の駐車場”には今なお150センチの積雪がありその役割を果たすことができないでいる。
今年の大雪の記録としてここに残しておく。
 

カフェをやって良かったって思えた日でした。皆様ありがとう! 2013年04月24日(水)

  GWを前に珍しく激混みの今日のカフェ。
次から次への皿洗いと、トリミングわんこのたまのお手伝いで一日が終わった感じだった。

普段、私の仕事というのは別になくてKやトリマーのさおちゃんそれにシェフ雄ちゃんがカフェを回してくれている。
あえて言うなら『コンシェルジュと風紀係』といった役割だろうか…

そんな今日、とても有難かったのが初めてご来店のわんこと飼い主さんたちだった。
何とも手のかからない行儀良くお利口さんなわんこばかり!
おまけにそのわんこをきちんと管理する素晴らしい飼い主さんたち!

狭い狭いカフェで大変な混雑だったのに、厨房で皿を洗いながらとってもいい雰囲気を感じさせていただき幸せでした。

『いろんなわんこ達が集まっても、聞こえてくるのは賑やかな飼い主さんの声ばかり。わんこたちは耳を澄ませ、時に自分の話題になると尾を振り、周りのわんこ達とヒソヒソ会話を交わし、自己紹介と自分たちの飼い主の自慢をしている』

今日みたいなカフェを夢に描いて開業したのですが、だいダイDAI大満足させていただきました。
本当にありがとうございました。

さりげなく席を譲ってくれたり、寒い中ガーデンで時間を費やしてくれたり、快く相席で話を盛り上げてくれたりと、常連の皆様のご配慮にはただただ頭が下がります。

今日みたいな日が続けば『いつ死んでもいい』って思えちゃいます。

はて、どうしてくれますか?
 

そんな・そんな・そんな 2013年04月22日(月)

  先日のわんこは無事捕獲され飼い主さんのもとへ無事戻ったそうです。

それはそれで喜ばしいことだが、日々カフェに相談に訪れる飼い主に、より的確な実践的アドバイスを伝えきれないもどかしさが私には付きまとっている。

『散歩中に他犬や人に対して吠えるんです』
そんな馬鹿みたいに単純で、解決方法が分かり切ってる問題を飼い主さんの目の前で改善してみても、飼い主さんにはその“当たり前”がなかなか伝わらない。
ただ感心されるばかりで『あなた、自分でやんなさいよ!』とやらせてみると出来ないのが普通だ。

じゃあ、私に何を求めているのかをつい考えてしまう。

自分は手をかけずに、わんこにだけ『いい子になれ』という“訓練”を求めてるんだったら『わんこと暮らす資格はあなたにはありませんよ』というしかない。

自分のわんこの問題点を相談し、その解決法のアドバイスを受けても、“自分は過去のままでわんこだけに変われ”というのはおかしいでしょ!

育てたわんこはあなたの作品であり鏡でもある。

目を背けるんでない。

そんなプロセスが手に取るようにわかる私と、そんな“当たり前”を上手に飼い主さんに伝えられない私がいる。

そんな時、カフェの常連さんが私が伝えきれない“隙間”というか“穴”を雑談しながら私に代わってお客様に伝えてくれる。

『あのね、うちのわんこも荒れていたの。』…

いくら私が熱弁をふるっても中途半端にしか理解してもらえなかった飼い主さんが、そんな言葉に反応し、『やってみる!』と意を決して笑顔(涙ながら?)でお帰りになることがある。

プロのアドバイス以上に、身近な経験者の一言の方がずっと価値があるのだ。
そんなことを含めてちゃんと理解し実践でき、成功を収めることができるアドバイスを送り続けるカフェであり続けたいと思う。
 

今夜は続報 2013年04月17日(水)

  夕べこの欄で書いたわんこを捜索している飼い主さんが見つかったようです。

R君が発見した4時間ほど前に近くの公園を散歩していて逃亡したらしい。詳しい経緯は不明です。

保護施設から引き取ったわんこで、まだ1歳未満との情報もあります。

このわんこの心に、また一つ傷が増えることになるのでしょうか。

ところでR君は今日、動物管理センターに夕べのわんこのことを通報したという。
センターの返答は『今そこにいる犬なら捕獲しますが、夕べの話では対処できません。新たな“今そこに”という連絡があればすぐに対応します』とことだったらしい。
もっともなことだ。

さらにセンターの職員は『捕獲しても日にちが経過したからと言って殺処分にはしません。新たな飼い主を見つけます。』と言ってくれたという。

嬉しくありませんか?
札幌も変わり始めたみたいですよ。
 

『自分で決める』ってちょっと重いこともある 2013年04月16日(火)

  カフェのガーデンが完璧に整って1週間ほどしてからゼオライトのご注文が相次いでいる。
ありがたいだけじゃなく『いい買い物ですよ』と、さらにお勧めしたくなる。

だって、わんこの排泄臭は10年経ってもまず感じないし、価格は利益なんてあんまり考えていないからネットで調べても一番安いんじゃないかと思う。
たぶんネットショップに参加すれば儲けが期待できるのかもしれないけど、それはちょっと面倒臭い。

ともかくわんこの排泄をベランダや庭でさせている方で、臭いを気にされている方はご相談くだされば適切なアドバイスができますよ。

そんなテーマでそこそこの販売促進を考えこの欄を書き進めていた夜半、R君から電話が入った。

「今(23時半)、目の前に首輪だけをつけた中型犬が放浪しているのですが、どうすれば?」とR君。
「どんな様子?」と私。
「腰の骨が少し見えるくらいで、声をかければ反応するけど寄っては来ずに普通に歩き回っている」とR君。
「ふーん。僕が子供の頃そんな犬を保護して飼ってたら14匹にもなったよ」と私。

さて、皆さんなら純粋な青年に何とアドバイスされますか?

・捕獲し保護することで、たまたま離れて自宅に帰れるはずのわんこの人生をかえることになるかも…
・保護したまま飼い続ける覚悟があるの?帰れた可能性のあるわんこの飼い主を捜しながら
・放浪犬がいることを警察や管理センターに通報したら、捕獲された後、飼い主が現れなければ処分されることもあるよ。

R君の話しぶりでは
・こんなわんこがいたことを明日通報しようと思う。(もし飼い主さんが探していたなら役に立つかもしれないから)
・明日もまだいるなら保護するかもしれない
という感じだった。

私の話は繰り返しになるが、帰れる犬を拘束することになるかもしれないし、保護しなければひょっとしたら明日の朝、車にはねられたそのわんこの姿を見ることになるかもしれない、ということだった。

首輪がつき、呼べば反応する犬であるけど飢えてないから自分なりに好き勝手に動き回っていると考えることはできる。

あなたはR君にどんなアドバイスを送り、当事者ならどんな対応をされますか?
 

いつもあなたを応援しています。が… 2013年04月13日(土)

  寒いし時折雪も降るけど、冬から比べれば春になっていると感謝せざるを得ない日々が続いている。
冬の雪捨て場になっていた『下の駐車場』の積雪はようやく残り2メートルちょい位になった。

ゼオライトのガーデンはとっくに完璧なコンディションで、「ここだけは春満開でビックリ!」と皆さんにお褒めいただいております。

残雪を見ていると、今月後半にゴールデンウィークが始まるという実感は今のところないけれど、念のため『カフェはGW期間中も木・金の定休日はお休みいたします』とお伝えしておこう。

さて、この冬は大雪で結構おヒマな時期が続いたカフェだけど、春と共に賑やかになってきている。
今日なんぞは午前中に二組の初来店の相談者があり熱心に対応させていただいた。
もし昼近くからのご来店であったら、全くご相談に応じることはことはできなかっただろう。

10時開店直後のカフェは、トリミング以外はのんびりしておりますので、ご相談のある方は是非ともこの時間帯にお願い申し上げます。
狭いカフェに25頭ものわんこ達がはべっていては、私は皿洗いと保安要員の兼務に専念するしかありませんから…

今日感じたこと。
面倒な問題犬であっても飼い主さんの改善意識が高ければ、一生懸命説明し実践して見せることへの意欲が失せていない自分がいたことが嬉しかった。

殿様商売と批判される方もおられようが、わんことの暮らしのアドバイスは飼い主さんの高い意識が無ければ成立しない。

高いお金を払って訓練所に3か月の訓練に出したことを自慢される方もいる。
大方は2週間で元の問題犬に戻ってしまう。
自分は変わらないで犬にだけ『おりこうになれ!』という傲慢さを反省したなら価値はあるだろうが、そうでない人々は多い。
その隙間を私は突いているのだろう。

わんこには学ぶ能力があり、継続するために変わるべきはあなたであると…。

最後にお勧め。
わんこのトイレの衛生・臭い対策に完璧なゼオライト。
今年の販売をカフェでは始めております。
ゼオライトの凄さにについては後日改めて。
 

人間なら早く気付いてあげようよ 2013年04月08日(月)

  『この犬種は全く散歩させずに室内だけで飼うことができるんですよ』
ペットショップでそんな説明を受けて購入し、当然ながら問題を抱えることになった11か月のポメラニアンとその飼い主の来店が今日あった。

散歩させずに室内だけで“まともに育つ家庭犬”などこの世には存在しない。
どんな小型犬であっても『まともな社会生活』を送るためには外の世界(人間社会)を日頃から体験させるのは絶対条件である。

おそらくショップの店員はカメやハムスターなどと同等にイヌを捉え、『室内だけで生存可能』という感性しかもっていなかったのだろう。
そんな人間は専門家と言われる獣医師にさえいるのだから、今の日本ではまだ珍しいことではない。

気の毒なのは飼い主とわんこである。
日々の悪戯や問題行動で「3キロも痩せました」と苦悩する飼い主と、生後何か月も経ってから外に出されて固まるわんこ。

現代において一般的に人がわんこを飼いたいと思うのは、カメやハムスターのような飼育ではなく“家族の一員として”『暮らしたい』と捉えるのが普通であり、ショップや獣医師はそのうえで適切なアドバイスを与えるのが使命である。

しかるにこの飼い主はその両者からもまともな助言をもらえず、おまけに“しつけ教室”にまで通っていたにもかかわらず正しい情報を得られず困惑していたのだ。

「外に出すと固まり、動くことはありません」
「家以外でシッコをすることもありません」
「家では大興奮で吠え続け、ペットシートをかじりまくっています」

そんな飼い主の思い込みとわんこの振る舞いであるこれまでの現実を私は飼い主の目の前で3分で変えて見せた。

そのわんこはガーデンに出されて固まった後、1分で動き始め2分後にはシッコをし、3分後にはあちこちにマーキングをして最後には2回もウンチをしていた。
実に楽しそうに。
そして時間と共に疲れ、悪戯や興奮という次元を超え眠くなってもいた。

私は何の魔法も使ってはいない。
ただ、わんこの心を観察し不安を取り除く雰囲気を醸し出していただけ。
歩きなさい、ほれこっちだよという強要を一切せず、ただ動ける状況を整えただけのことである。

生まれてから成犬になるまでの11か月もの間、外の人間社会を知らずに暮らした自分を想像すれば、初めての場所で“費やす時間”の大切さが分かりますか?

戦国時代から現代社会にワープしたなら、物事をしっかり見せ、普通のこととして受け入れる時間が何より必要なのだ。

『スペンドタイム』
私がわんことの関係で最も大切にしている言葉である。
感じて考え理解するにはそれぞれの状況を体感させ受け入れる時間が必要なのだ。
矢継ぎ早にわんこに要求し接してはいけない。
目で見て経験し、頭を整理し、考える時間が必要なのは人間であるあなたなら分かっているでしょ。

いつも感じる。
わんこと暮らす問題を提起するのは一方的に飼い主。
わんこ達からの苦情はない。
だけど、解決すべき問題の根っこにあるのは専門家と飼い主という人間であることを。

翻弄されながらも人間たちと付き合ってくれているわんこの寛容性には頭が下がる。
本当にありがとうね。
 


- Web Diary ver 1.26 -