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仔犬と暮らし始めてから最初の1年間を、あまりにも軽視し無頓着に過ごしている飼い主が多すぎる。
・わぁ、可愛い!! ・犬と暮らすのが夢だったんだよねぇ。
そんな気持ちは分かり過ぎるほど分かるけど、馬鹿さ加減も度を過ぎると『無知とは罪なり』と言わざるを得ない。
何世代にも渡って日本人は犬と暮らしているからDNAの中にある種の知恵があるはずなのにそれが生かされていない。
室内で犬と暮らすというスタイルが先人の知恵では対処しきれないのか? それとも新たな犬種に日本人が適応しきれていないのか? さらにうがった見方をすれば、子育てや学校教育において“愛のムチ”は原則的に批判され、法体系を意識しながらでないと叱る事も出来ない世の中になっている。 その結果、許される(奨励される)叱り方と、明らかな虐待が区別できない親や飼い主が出現している。
仔犬との最初の1年の正しい暮らし方を伝授しよう。
1.まずは快適な生活環境を提供すること @食事回数を考えよう ・生後4ヶ月までは1日4食が基本 ・生後6ヶ月までは1日3食が基本 ・生後7ヶ月以降で1日2食に慣らす A住環境を考えよう ・仔犬の快適な寝床を整えること
2.すでにしつけが始まっていることを自覚しよう @何はともあれ排泄のしつけ ・排泄のしつけとは、犬が催した時にペットシートで勝手に排泄をすることではなく、犬が排泄を我慢する前に飼い主が犬を適切な場所に連れ出し“指示”によって促し、結果的にどんな場所でも指示によって排泄できるようにすることである。 Aまだ仔犬でしつけもできてない犬を室内でフリーにすることは信じられないほどの暴挙である。 ・多くの飼い主はこれを平然と行い当然唖然となる。 ・『お利口になったら待遇が上がる』という自らの社会経験を犬にも応用すべきである。
3.仔犬の最初の1年は“取り返しのつかない大事な1年”であることを是非知っていただきたい。 @犬は最初の1年で成犬の身体に成長し精神もそれなりの成長を遂げる。 ・つまり世間の見かたや対処の仕方を1年で身につけてしまうということ。 ・世間知らずの犬はいつまでも世間知らずの土壌の中で生活し、この1年で様々な適正な社会経験をした犬は順応できる犬に育つ。 Aオスワリやフセ・マテなど服従に関する基礎訓練は何歳になってからでもできる。 ・犬のしつけと服従訓練を混同している飼い主は多いが、それは誤りである。 そんな訓練はいつでも簡単に行えるのだが、最初の1年を修復するためには生きてきた年数分の時間が必要になるのである。
最初の1年は取り返しのつかない1年であり、取り返しをつけるにはそれなりの時間が必要。 取り様によっては取り返しは可能というわけだから『取り返しがつかない』という言い方は大げさな表現と受け取られるであろうが、『その意味は正しい』と私は思っている。 それほど最初の1年をおろそかにすると不利になるということだ。
『最初の1年』については重大と受け止めていただきたい。
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