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ゴールデンウィークが近づくと昔の盲導犬時代を思い出してしまう。
4〜5日のまとまった休みを取れるのは年に3回。 年末年始と8月下旬そしてGWなのだが、勿論それも若い頃はなく勤務時代の後半になってからの話である。
年末年始、私はほとんど仕事を選び仕事始めのあとに休みを貰うことが多かった。 混雑してる時期よりみんなが働き始めて空いた時期に出かけるほうが好きだったから。
9月の第一日曜日に飼育委託していた犬たちがボランティアの家庭から協会に戻ってくる。 それから適性検査を行い8ヶ月弱の訓練に入り、翌年の5月から8月下旬までは視覚障害者との共同訓練に入るから宿直や出張が日常となる。 その後ようやく一息ついた8月下旬から9月初めまでの短い時期に交代で休みを取るのだ。 その休みはキャンプで過ごすことが多かった。
GWの休みは一人前に育てた犬の訓練修了と5月からの超多忙な正念場に突入する前の精神的休養であり、私は職場の同僚や子供たちとよく釣りに出かけた。
そうGWの頃が1年で最も快適な気候のもとでホッケ・カレイ・タコなんかを釣り上げていて、そんなことを今になって思い出すのだ。
休みは数日前に決まるのだが、その日の天候がどうなのかに気を揉んでばかりいた。 子供たちは私の顔色をさりげなく伺い『釣りに行けるのだろうか』と同じくやきもきしていた。 「よし行くぞー!」と宣言した時の子供の笑顔は私にとって最高のエネルギーとなった。 なにせ数日前から“恐怖の10本針”とか“大遠投用1本針”なる仕掛けを手作りしてうずうずしていたのだから。
だが、親は子供の安全を守らなければならない。 強風で「明日の釣りは中止」と宣言しなければならない時の辛さは何物にも例えがたいものがあった。 私の前からいなくなり漫画を読み始める子供たちの心境はどうだったのか? 次に会う機会があったら尋ねてみようと思う。
ともあれそんなGWがもうすぐとなった。 聞くところによると長男は東京で暇を見つけては釣りをし、次男も自分で車を運転して昔爆釣した穴場に通っているらしい。 実は“恐怖の10本針”を考案したのは私だったのだが、あれは子供連れだったから面白半分にできたことである。
今度もう一度あの仕掛けを作って釣りに出かけてみよう。 気儘に行ける平日に。
そういえば、子供たちと出かけた防波堤での釣りだったのに、そこにも我が家の愛犬エリー(ラブラドール)が誰の迷惑にもならずに寝っころがっていたなぁ。 GWが近くなると思い出す遠い昔。
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