From the North Country

愛犬との旅その4 2008年09月07日(日)

  今回の旅の初日、十勝の美味しい牛乳を普段よりやや多目に与えすぎたため我が家の愛犬アモの夜のウンチはやや緩めになっていた。
案の定、夜中の3時頃「ねえ、ねえ、」とアモは私を起こした。
そして「トイレに行きたい」と彼は明確に伝えた。
「そうか、わかったよ」
アモと宿の玄関まで行った私は大いに焦った。
何と玄関は施錠されていてどこを探しても開けようがなかったのだ。
「すまん、悪いけど我慢しろ」と言って私たちは部屋に戻り、
「5時には開くべ」と二人して横になった。
(もしアモがさらに訴えたなら宿の方を起こすつもりでいた)

それはそれは健気なアモには辛い2時間だったことだろう。
こらえながら身体をもぞもぞさせ様々な工夫をしているのがわかった。

5時前に玄関の開く音がしたので私はすぐに着替えてアモと外に飛び出した。

年のせいか最近の私は若い頃のように便意を催してから我慢できるまでの時間が極端に短くなっているのだが、アモはその我慢を見事にやってのけてくれたのだ。
あの便の状態なら私は我慢できずに・・・

ともあれその日は『スマンかったなぁ、アモ。』という思いと『よぉ我慢したなぁ』と感謝の気持ちでいっぱいだった。

ところで、自宅におけるアモの排尿行動には明らかにテリトリーを意識したマーキングが見られる。
それは彼の去勢時期が遅かったことに起因している。

盲導犬候補生だったアモはその適性を判断しきるために、本来(盲導犬の場合)なら生後6〜7ヶ月での去勢が適切なのだが、様々な事情があって1歳を過ぎてからの去勢となっていたのだろう。
そしてそのことがアモにオスとしての痕跡を強く残し、テリトリーにおけるマーキングに繋がっていると思われる。

例えば、散歩コースを少し変えてあげると大抵の犬は喜ぶのにアモは日常の散歩コースにはこだわりを持ち、チェックすべきところではマーキングを欠かさないでいる。(勿論私が許可した空き地や草むらであって、人が住む玄関や塀は不許可となっている)
タマツキシーズーのゴンタでさえ途中からのマーキングは格好だけでオシッコは何も出てないのに、アモは最後までしっかり出ていることに驚かされる。

だがそんなアモと未去勢犬のしつけられていない犬との違いは、旅行先や休日などに車で移動する原始林などを歩いていてもアモは滅多にマーキングというか排尿行動をとらず、たくさん溜まってから一気に排尿をするし、カフェや宿など人の生活空間ではたとえ下痢をしていても絶対に我慢するのだ。

アモは去勢時期が遅れオスとしてのホルモンが回った犬である。
それでもちゃんと育てることで申し分のない家庭犬になってくれている。
ただ飼い主はプロの私たちである。
普通の方たちに家庭犬として失敗しないためのアドバイスを与えるなら
・オス犬が四つ足で排尿している生後5〜8ヶ月の時期に去勢しなさい
・それに異議を唱える獣医師がいたら説明をよく聞き、愛犬の病的なことに起因するのでなければ改めて手術を依頼するか他の獣医師を探して去勢しなさい
と言うだろう。

昨日のカフェに去勢して3日目のシーズー/そうじろうが遊びに来てくれた。
「最近始まっていたペットシーツ以外の場所でのマーキングがピタッとなくなりました」
「こんなに変わるなんて驚きです」

それがしつけだとは思わないがスタートラインに立てた事だけは間違いない。
何故なら、本能の一部分を切り離すことができたのだから、これからは面と向かって育てることができ、以後の犬はあなたたちの作品となるのだ。

さてこれまで愛犬を受け入れてくれる数少ない宿に感謝の気持ちを込めて書いてきたが、実は受け入れ側の人間たちにも根本的な問題があることを改めて気づかされた今回の旅でもあった。

この続きはまた。
 

愛犬との旅その3 2008年09月05日(金)

  すべての未去勢のオス犬が排泄行動に問題があるわけではないし、自宅で暮らす分には気にも留めていない飼い主もおられることだろう。
実際カフェのお泊り犬で私のベッドで寝ることが許されているシーズーのゴンタも未去勢である。

しかしその安心感が油断となるから愛犬と泊まれる宿では絶対的な注意が必要となる。
否、そもそも私はタマツキわんこのほとんどはこのような宿泊施設を利用すべきではないとさえ思っている。
理由はいくつかある。
1.繁殖目的であること自体が“どこにでも連れて行ける”ということへの欠格事項であるから。
2.それでも“しつけ”ができていたり、性格的にそのような行動を取らないタマツキわんこもいるだろう。
だが、そのようなわんこも残念なことだし本人の責任でもないのだが“現役のオス”という臭いを室内に残し、後続のわんこたちのマーキングを誘発させる原因になっていることに配慮しなければならない。

『生まれながらについてる物を手術で取ることのほうがおかしい』と考えるのは自由だが、そのような飼い主は同時に“制限”というものを受け入れるべきであろう。
根源には本能に基づく行動や生物臭というのがあるのだから。

何度も書くが、盲導犬を社会参加させられるのはオス犬には去勢がなされているからであり、仮にどんなに優れた盲導犬の繁殖犬(stud dog)と旅行する場合があったとしても私たちは決して彼らを宿に入れることはせず車内に留め置くか特別な配慮をするであろう。

最近小型犬にはマナーベルトというのが広がっているが、敢えて小型犬の飼い主に伝えたい。
あれは万が一の備えであってマーキングを許容するものであってはならないのですよ。
私はずっと盲導犬をやってきたから『小型犬というのはある程度排泄問題があっても仕方ないのかな?』なんて思っていたが、カフェで5年勉強したら『そんなことはない』という確信が得られた。
小型犬には多少排泄間隔が短い犬がいるのと、飼い主が甘く考える傾向があるだけで、しつけなどの生活習慣に大きな差異はないのだ。
『ペットシーツで排泄させる』という観念がやはりすべてをおかしくさせているのだと思う。
小型犬の排泄にいい加減な飼い主は、まるでよく出来たモルモットを飼育している気分なのだろう。

一般客がほとんどで一部わんこ連れを認めた宿に、モルモット感覚で犬を連れ込んでおきながら、好き勝手に“愛犬との旅”を満喫する感性なんておかしいでしょう。
ケージに入れっぱなしなら昆虫と同じだからいいけど、マナーベルトをしていてもチェックインの手続きの最中に足元でわんこが足を上げてオシッコしているなんて、その姿を見た一般客はどう感じることか。
おまけにマナーベルト内でさせっぱなしの犬たちの放つ臭いを飼い主はどう感じておられるのか?
私には『鈍感』としか言いようがない。
せめて『ちゃんとするんだよ』という言葉を責任を持ってかけられるように“家族の一員”として暮らしたいなら去勢というものは絶対条件である。

ところで我が家の愛犬アモ…
彼に『お前はマーキング王子だ。』と言ってやりたい。
この話はまた。
 

愛犬との旅その2 2008年09月03日(水)

  前回の続き…

結局ガイドブックの内容とは違い『犬は室内だけに』と変更された宿が1軒あった。
部屋に入るとアモがいろいろ教えてくれた。
「ここ、ここにオシッコの痕跡があるよ」
「あ、ここもだね」
私はアモに教えられた場所にカフェで使用しているバイオチャレンジをスプレーし「他には無いかい?」と尋ねた。
アモは一仕事終えるとすぐに持参した敷物の上で横になっていた。

愛犬と泊まれる宿を利用したいなら排泄マナーは最低限のはず。
宿の方は「ご自宅ではきちんとできるんでしょうけど、環境が変わるといろいろありますので…」と精一杯の配慮をしながら注意事項を述べられていた。
それだけ粗相をする犬が多いということで、過去にこの欄で私が述べてきたように“犬が勝手にペットシーツで排泄するのはトイレのしつけなんかではない”ということの証明である。

殆どのペット関連従事者・獣医師・訓練士が“犬が自発的にペットシーツで用を足す”ことをトイレのしつけと思い込んでいるのがすべての過ちの始まりである。

犬の排泄意識は人間と変わりなくできるんですよ。
さらに詳しく言うなら、管理する人間がちゃんと愛犬の排泄行動に関わっていたなら
・自宅でのマーキング
・自宅以外のホテルなど環境が変わろうとも人が暮らす建物内での排泄など人間がお漏らしする確率程度の失敗しかないはずである。
でなきゃ盲導犬がホテルなど公共施設を自由に利用できるはずはないでしょう。

盲導犬は厳しい訓練を受けたから?
冗談じゃない。
私は25年間盲導犬の訓練をしてきたが、こんな基本的なトイレのしつけなどはパピーウォーカーと暮らす1年のうちに既に犬たちが学んでいた。
逆に難しかったのは、10数年前から特殊なベルトと凝固剤を用いることで盲導犬の排泄物が自動的に袋に収められるようになり、盲導犬使用者はわざわざ建物の外に出て排泄させる手間をかけなくて済むようになったのだが、例えば身体障害者用のトイレなどで盲導犬に「ここで排泄しろ」と納得させるのに苦労した。
「ウソでしょ?ここは室内ですよ。やっちゃマズイでしょ」と彼らは主張していた。

室内犬のトイレのしつけとは、外の指示された場所で排泄を行うことであり、飼い主は愛犬に我慢させることなく適切な時間に排泄をさせ、それでも予定外に催した犬は飼い主にそれを告げることができ、飼い主が留守がちの犬の場合は緊急避難として室内のペットシーツでもできるようにすることである。
日常的にそのようにしていると、旅行先だろうがなんだろうが室内で粗相することなどまずあり得ない。
仔犬や小型犬の排泄間隔が短いことは飼い主が把握しておくべきである。

因みにカフェのお泊り小型犬の寝床近くにはペットシーツを敷くこともあるが、そこに排泄する犬などまずいない。
みんなガーデンに出した時に済ませているから。

排泄で問題なのは未去勢のオス犬である…

長くなったのでこの話はまた次回。
 

愛犬との旅 2008年09月01日(月)

  無事4泊5日道東の旅を楽しんできた。

今回宿に選んだのは“主にワンちゃんと飼い主のための宿”ではなく“ワンちゃんも泊まれる宿”であった。
その理由は
1.メインは一般客だから、そこに泊まるワンちゃんも飼い主もそれなりのマナーやしつけに自信を持っているはずと期待してのこと。
2.同じく一般客がメインだから温泉や部屋の設備もそれなりに綺麗で充実していると思われたこと、であった。

で、結論はというと
充分に満足できたのが1軒で、結構満足だったのが1軒、あとの2軒は「うーん、いろいろ大変なんだろうなぁ」という思いが残った。

断っておくが、どこの宿も皆さん親切で食事も美味しかったしおもてなしも良かった。
おまけに予想通り温泉はすばらしく日ごとに身体がつるつるするのが実感できた。

『うーん…』と私が唸る意味にはとても深いものがある。
どの宿も犬好きの人々がいてとても好意的なのだが、良かれと思って宿の一部を愛犬家に開放した結果、自分たちの好意や想像とはかけ離れた犬と飼い主に遭遇し、苦労した過去と現在の表情をお持ちなのだ。
つまり『愛犬と泊まれる部屋を準備したけど、予約の入った今度のワンちゃんと飼い主はまともな方たちだろうか?』という不安が自然と湧き起こっているのである。

だからガイドブックには犬を受け入れる条件として
・トイレなど最低限のしつけが出来ていること
・無駄吠えして他のお客様の迷惑になるようなことがないこと
などが明記されてもいる。

しかし実際に宿泊してみると
1.隣室のMダックスは家族が食事や温泉に出かけると吠えっぱなしで、それなのに飼い主は交代で出かける配慮もせず、在室中に吠えても止めさせる意思がないのか危機感がないのか・・・、大勢の一般客や宿側に迷惑をかけていることに無神経であると断言せざるを得なかった。
嫌味な表現だが、ああいう飼い主ほど『叱ってはいるんですけどねぇ』と言い訳をし、『犬と泊まれる宿っていうのはそんなことを理解したうえで受け入れてるんじゃないですか?』などと開き直っているのだろうと思われた。

2.宿泊室に入るとお香や芳香剤の香りがする。
室内生活をしている犬の体臭が染み付いて部屋が臭くなることなど滅多に無いから、これらの香りは明らかに過去の排泄臭の消去の為に施されている。
つまり粗相やマーキングをする犬たちとそんなことすら解決も出来ない飼い主が過去に宿泊していたということである。
毎日毎日、宿の方々は日々清掃する部屋に入り心砕いておられたのだろうと思う。
抜け毛の掃除だけなら想定範囲内だっただろうに。

3.畳やドアに引っかき傷が・・・
排泄臭に悩まされた挙句、畳やドアなど室内を荒らされおまけに吠え声で他の宿泊客に迷惑を及ぼしたなら多くの受け入れ業者には警戒感が芽生えて当然である。

長くなるのでこの続きはまた明日。

大型犬宿泊費2100円
中型犬1575円
小型犬1050円
そんな規定のあった宿なのに私たちの大型犬アモが請求されたのは1050円であった。
『あなたの愛犬ならいつでもまたいらしてください』
そんなメッセージだと私は受け取った。
 

異種間交流 2008年08月26日(火)

  明日27日から31日までカフェは夏休みを頂き、9月1日(月)から通常営業いたします。

『気候が丁度良い時期に夏休みを』と思っていたのに今年の北海道は寒い!
おまけに明日から4日間全道的に雨模様の予報…
普通なら『せっかくの休みなのに』と残念がるところだが我々は違った。
「キャンプにしなくて正解だったね」とKは喜び、「これでミニトマトと枝豆横丁の水遣りの心配をしなくて済んだ」と私。

もう一人我が家の愛犬アモは、夜になって旅支度を始める私を見ながら大きな期待にあれこれと想像を膨らませている。
これは私の勝手な解釈ではなく、アモがあれこれ考え脳を活性化している時には、アモの眉間から前頭葉付近を触ると熱くなっているのが分かるのである。

普段は自ら上がることのないソファーに私と並び、『何か説明があるはずだ』とさりげなく待っている。
いつもなら私は悪ふざけをして「父さんと母さんで出かけてくるからね。アモは留守番だよ」と言ってアモが猛然と抗議してくるのを楽しんでいたのだが今夜は趣向を変えてみた。
「明日からね、父さんと母さんとアモと三人で旅行に行くよ。あれ?母さんは留守番かなぁ?母さんも行くのかなぁ?」
言い終わらないうちにアモはソファーから飛び降り、Kを探しに出かけていった。

「母さんも行くよ!」
Kのその一言にアモは飛びついて喜んでいた。

犬の理解度は私たちが期待するほど高くはないが、動物行動学者が論理的に述べるほど低くはないと経験上秘かに思っている。
だから先日のニュースにあった“イルカと会話が出来る”という科学的検証に驚きはしなかった。

すべてのイルカや飼い犬が会話を理解するわけではないし、頭の良い個体だけが理解するわけでもない。
彼らの脳を解発できる人間と暮らした時に彼らは会話を理解するようになるのである。

まあ今夜のアモの振る舞いは行動学的には単純に説明できるが、br>気道確保の為に装着した器具が喉に多少の違和感を感じさせるらしいが、それも今後半年ほどで外せるとのこと。
左手には僅かなしびれが残っているとのことだが、とにかくYさんの笑顔と姿が目の前にあるだけでうれしくて仕方なかった。

心配してくださっていた皆さんにまずは私から報告させていただきます。
 

特技は酔拳と吸拳? 2008年07月21日(月)

  夕べのちょこの飼い主さんに遅ればせながらメールをした。

○○様
大変でしたね、ビックリしました。
スタッフやお客様は怒り心頭でした。
一日も早い傷の回復を願い、心よりお見舞い申し上げます。
事後報告で申し訳ありませんが、いただいたメールと私なりの意見をホームページに書かせていただきました。
まだ1週間ですから気持ちは落ち着かないとお察しいたします。
カフェでみんなに話せば少しは楽になるかも、なんてことしか言えないのが残念です。

お客様が来られたのでこれで失礼します。

(以上私が送ったメール)

そしたら先程返信が届いたので、再び無断転載させていただく。

返信を読ませていただき、ちょこがこんなことになってから、涙はでることがなかったのに、号泣してしまいました・・・。
張り詰めていた糸が切れたと言うか、ちょこのこれからを一緒に見つめてくれる人がいることへの安心感からか・・・。

いままで長年犬とともに過ごしてきた長崎さんだからこそのアドバイス、路頭に迷っていた私に進むべき道をはっきりとさせてくれました。
ほんとうにありがたく感謝しています。
飼い主として、毅然とした態度でちょこに接して行こうと思います。
早くカフェに行って愚痴りたいです。ちょこも五箇所の傷のためバリカンで刈られ、はげになってしまた所と毛の伸びてる足のバランスの悪さをなんとかしたいので、カットしに行きたいです。

とりあえず明日、抜糸に行ってきます!

お忙しい中、本当にありがとうございました。奥様、スタッフの皆様によろしくお伝えください。

なんだか元気の出てきたちょこの飼い主○○より
(以上が返信)

何よりだ。酔っ払いにも役立つことがあるんだね。

だけどこれでも相当疲れるんだよ。
内弁慶だから酒を飲まないと書けないしタバコの本数も当然増えるから。
これも酔拳とか吸拳って言えるんじゃなかろうか?
今夜はもう深く考えずに寝かせてもらうことにする。
 

逃亡したシェパードに襲われたちょこ 2008年07月20日(日)

  二部作の1.

衝撃的なメールが届き言葉をなくしてしまった。
みんなで共有すべき問題であると受け止め、無断で転載させていただいた。

以下転載(人名は○○に変更)

こんばんは。カフェでお世話になっています「ちょこ」の飼い主○○です。

じつは、ちょうど1週間前の土曜の朝、散歩中にちょこが檻から脱走したシェパードに5箇所もかまれ全箇所縫うという、あってはならないことが起きてしまいました・・・。

そのときちょうど、ちょこはうんちをしようとかがんだ姿勢になったところで、私は散歩仲間の奥さんと話をしていて背後からやってきたシェパードの気配には気づきませんでした。

そしてちょこの肩と後方にいきなり噛み付きました。
殺される!瞬間的にそう思い夢中でシェパードからちょこを引き離しました。私の悲鳴で自分のところの犬が逃げたことに初めて気がついた飼い主が10メートル先の家からでてきました。

私は急いで病院に連れて行き、処置をしてもらいました。あまりの衝撃で病院で私まで貧血で立っていられなくなりました。はずかしながら・・・。

でも自分の子供が目の前で通り魔に突然刺されたような心情でした。
傷の付きが悪かったら、外科的手術になるかも・・・と言われましたが、幸い傷の治りは順調で、22日に抜糸することになりました。

相手の飼い主には本当に腹をたてています。家はうちの数件先で以前にも小型犬の耳を噛んだという噂は聞いたことがありました。しょっちゅう吠え声は聞こえていましたし、普段天気が良い日は玄関横の5×4メートルぐらいの広さの柵の中で放されていました。その日は鼻で柵の鍵をあけてでてきたらしいのです。飼い主が言うには。「どうやら鼻で上に鍵を押してでてきているみたいなんです」

「私は直接見てないのですが・・・」そんなのんきなことを飼い主は言ってるんです。
そんな凶暴な犬なら柵の中でもリードが必要だったはずです。ただでさえ前科もあるのですから・・・。

これが人間の子供だったらどうだったのでしょうか・・・。ちょこはもちろん私たちにとって子供同然なので相手が何の罪にも問われないことが理不尽でなりません。相手の誠意がいまいち見えないのも憤慨しています。ことの重大さをわかっているのでしょうか???
今ものうのうと近所を散歩しているようで、私は恐ろしくてしょうがありません。

一番問題なのはちょこが受けた心の傷です。
ちょっとした物音や人の声にも過剰に反応して、玄関チャイムや窓から犬の姿が見えるとものすごく吠えています。以前はウーと唸るくらいだったのに・・・。動物病院でも以前は、がたがた震えて声も出せないでいたのに、今は入ってくる犬ぜんぶに吠えています。

ちょこにはどの犬も全部敵に見えるのでしょうね。ただでさえ臆病だったのに、こんなことがあって散歩に出れるのか不安を感じています。一体今後、どのようにして心のケアをしていったらよいか途方にくれて、メールにて大変失礼とは思いましたが、何かアドバイスいただけないかと思いご相談させていただきました。せっかく2度のお泊りで少しはカフェにもなれて、安心して預けられる場所ができて私たちも安堵していた矢先にこんなことになり、お泊りどころかカフェにもいつになったら連れて行けるのか?先の見えない霧の中にいるようです。

今後、傷が落ち着いたら散歩に連れて行くべきでしょうか?
ほかの犬に会うことがプラスなのか、マイナスなのか?少しづつ慣らすべきか、しばらく接触しないべきなのか・・・。

すみません、私の頭の中もぐちゃぐちゃに混乱していて、おかしな文章お許しください。
どうぞよろしくおねがいします。

わらをもつかみたい状況のちょこ飼い主の○○より

以上までが転載

驚き・怒り・慰め、諸々の言葉は省略させていただき、全く私の経験と知識それにちょこの性格分析を含め独断による意見を述べさせていただこう。

記述容量が多すぎてこの欄に一回では書き込めないようだ。
今夜のこの欄は同じ日付けに二つの欄(下のページ)を設けることにしたのでよろしく。
 

逃亡したシェパードに襲われたちょこへの返信 2008年07月20日(日)

  二部作の2.

1.(悔しい表現だが)器物損壊、蓄犬の飼育に関する条例違反などで告訴・告発が可能な事案だが、それは相手の誠意と飼い主様次第。
社会生活のこともあるしここではそれ以上のコメントは控える。
ただし治療に要した費用(治療費や交通費等)は当然請求すべきだし、相手にその意思があることを確認しておこう。

2.ちょこのケアについて
@特効薬はなし。長期戦に備えること。
事件当日までの記憶と傷を消せるならともかく、それができない以上それなりの心の回復には半年から数年かかると思われる。
Aケアはすぐに始めた方がいい。
ちょこの意識形成は咬まれた直後から始まっており、それを飼い主が望む方向へ導くならケアはその時から始められるべきである。
Bちょこの肉体的痛さは共有すべきだが心の痛みを共有してはならない。
飼い主には酷な言い方になってしまうが、ちょこは我が子であっても犬である。
人間なら心の痛みに共感することで、立ち直りのきっかけや勇気を与えることができるけど犬は違う。
犬は観察することでその行動と性格を形成する能力の持ち主だ。(血統的な特質もあるが)
だからもし、飼い主があたふたしたり過剰に優しく接すれば『何かとんでもないことが起きているのだ』と不安・恐怖・防御・攻撃性の反応を示すようになるだろう。
だから痛みには配慮しつつも『バカ、何ビクビクしてんのさ。そんなもんどうってことないよ。大丈夫だぁ!』
精一杯の見得を切って演技をしてもらいたい。
ちょこがいる時には慰めや哀れみの言葉より、バカ騒ぎのパーティーでもした方が良い。

ちょこが許されざる状況に陥れられたのは充分に理解できる。
だが、もともと他犬が苦手だったちょこが動物病院で以前より吠えるようになったことを飼い主は心を鬼にして制御すべきなのである。
辛いだろう、苦しいだろう、自分が許せなくなるだろうしこんな意見を述べる私に憎しみすら覚えるだろう。

短い犬の人生の中ではずるずると引きずりながらの治療なんてできない。
『うちの犬はシェパードに襲われてから犬を見ると吠え立てるようになったのです』と、事件とは全く関係のないカフェの大人しい犬たちと飼い主に言い訳するのも辛いことだ。

あのシェパードの飼い主への思いをどうこうするつもりは毛頭ないが、だからといってちょこの気持ちを共有し代弁することで結果的にちょこが世間から遠ざかるのを助長しない努力を続けていただきたいと願う。

カフェへの来店は抜糸後ならちょこの肉体的な負担もないはずだからいつでもOKだ。

転載部分を含め今夜はとても長くなってしまった。
機会があればもっと正確に書きたいが実はもう意識朦朧というか酩酊状態になってしまった。
大切な相談なのにごめんなさい。
 

明日はずっと祈っているよ。黒ラブのレオ君 2008年07月19日(土)

  明日20日(日)の午後、黒ラブのレオが手術を受ける。
生命に影響する手術だ。

レオは過去に飼育放棄されKさんが引き取った経歴を持つ。
Kさんは元大学の先生でハスキーなどの飼育経験があったが、私の目から見れば犬に対して(当然人に対しても)優しすぎる程の根っからの“いい人”だ。

命を救われたレオが恩返しを始めたのか、それとも二人の波長がピッタリあったのかは知らないけど、レオとKさんはカフェの顔になるほど穏やかな存在となっている。

一時期、去勢されてなかったレオが無礼な振る舞いを始めるとKさんはこれまでの犬に対する考え方を改め、私のアドバイスに従ってレオの去勢を決断し、それ以降セラピー犬としても二人で活躍している。

そのレオの穏やかさが、教えられたものというより健康面によるものではないかという不安を私は経験的に感じていたが今回それが現実になりショックを受けている。

診断では脾臓にトラブルがあり、ひょっとしたら癌かも知れないとのこと。
もしそうなら過去に同じ病気で愛犬を亡くした者の経験から言わせてもらえれば、獣医には事前の確定診断を血液検査とエコ−だけでない方法で調べて欲しかった。
開腹して自分で確かめたい気持ちは分からないではないが、いずれにしても犬と飼い主の為になる方法は他にあるはずだし、とりわけレオの場合は慢性というか以前からそんな可能性を示唆するような症状があったのだから、治療におけるいくつかのプランとその予後についての説明が必要なのではないかと思われる。

とにかく明日の今頃レオは術後管理下におかれている。
私の不安が取り越しであることを祈るばかりだ。
手術しなかったより、してよかった結果を導いてください。
先生、適宜うまくやってください!
レオよ、人間を信頼してくれ!
Kさん。私たちも心から祈っています。
 

ももちゃんのおかげ 2008年07月18日(金)

  今回の定休日は洞爺湖でキャンプを、と計画していたが前日になって秋田犬ももちゃんのお泊りが舞い込んできた。
普通ならショッキンぐ〜なタイミンぐ〜だったが実はこれ、渡りに船でもあったのだ。

天気予報が優れず『大雨になったらアモは勝手に泳がせて、我々はテントで読書三昧。』とか
『待てよ、アモが一人で泳ぐはずはないから結局外で付き合うことになるぞ』などの状況から“キャンプに行かない理由”を模索し始めていた私だったから、まさに大義名分が降って湧いたわけである。

案の定木曜日の夕方から夜半にかけて激しい降雨があり、1泊2日なら敢えて行く必要はなかったと思えた。

で、その木曜日。
定休日を察知したアモの主張を受け入れ、お泊り犬のももちゃんを連れて曇り空のもと私とKは原始林へ出かけた。
これがまた実に心地よく二人とも薄手の長袖を羽織って丁度良い気温だった。
オオウバユリがあちこちでたくさんの花を咲かせ、大沢池のとある場所ではアカゲラがサミットでも開いているのかと思わせるような集団を見せてくれた。
春先には好奇心が強く私の口笛による物真似に即座に反応して近づいて鳴き返したウグイスも、この時期は泰然としてホーホケキョの後に新たに覚えたケッキョ・ケッキョ・ケッキョを身じろぎもせず唱えていた。

入林前にコンビニで2種類買ったKの好物ヴァン・ホーテンのチョコレートのひとつが私のリュックから見当たらなくなった。
「きっとお茶を出した時に落としたんだ」
「いや、僕の長袖を出した時かも」
2時間ほど歩いてから私たちは予定のコースを変更し、別ルートからお茶と長袖を出したコースを経由して駐車場へ戻った。

「残念だったね。あっちのヴァン・ホーテンも美味しかっただろうにね」
まだ未練が残るKの言葉を聞きながら私が車の助手席を探すと、そこにちゃんと“あっちのヴァン・ホーテン”があった。
私が飲み物と一緒にコンビニ袋を渡した時にKが出したのだろう。

「ごめんね。食べてみる?」とK。
「夏の車内に2時間半だよ、解けてるに決まってるじゃん」と私。
「何言ってんの、絶対解けてません。」
「そんなバカな」
「私が何年チョコレートマニアやってると思うの、絶対解けてません」
そのチョコレートは本当に解けてないどころかカリカリしていた。

そんな油断が重なった瞬間、秋田犬のももが車から飛び出してしまった。
飼い主のSさんは過去に脱走されてエライ目に遭ったと聞いていたが、私はいたって冷静だった。
駐車場の周囲を見渡し、人や車両がどの位離れているかを確認して自分に与えられた猶予時間を判断してから捕獲方法を決めた。

結局3番目の言葉で1分もしないうちに『ごめんなさい、ちょっとした出来心で…、ホントごめんね』とももは私の懐に滑り込むように入ってきた。

犬が逃げた時、追いかける人がいるがあれは最悪である。
まあ小型犬の中には我を忘れて駆けて行く犬もいるが、あの瞬間はもう度胸を据えるしかない。
ただひとつできる事があれば、逃げた瞬間ではなく逃げた後に自分が原因で他人に危害を加えたり交通事故に遭わせないようにする事であろう。

幸いにもというか、逃げたももは何かに驚いてパニックになったわけでも、ある国からから脱北したかったわけでもなく『ヒャー、逃げちゃった。どうする?』
というとても一般的な状況だった。

こちらがパニックになって追いかけながら呼んだりして捕まえようとするのが素人。

その状況に戸惑っているのは実は犬の方なのであって、追いかけたり取り乱すような声を出すのは却って犬の高ぶりを助長するだけのことである。
私の場合はそうではないけど、一般の方ならそこで走ってきた車に跳ねられても仕方ないという度胸を据えるべきである。

決して追っかけることなく5メートル以上の距離を置いて
「こら!もも!なにしとる!おいで!!」
と強めに言ってみる。
これで戻る犬は“逃げる”ような犬の中にはまずいないのは折込済み。
次に
「まて!!」と命令して近づく素振りを見せると大抵の場合相手は戸惑いながらも逃げる体制を整え、「その手には乗らないぞ」と距離を保つ。

だがそれまでの経緯の中で、『どこかで折り合いをつけなければ』という感情が犬には芽生えている。
そこで両者妥協の
「もも、いいからおいで!楽しかったか?さあ帰るぞ。」という接し方になる。

充分な関係ができていれば強めに言うだけで解決し、ある程度の訓練ができていれば『マテ』で解決し、そこそこできていれば妥協策でも効果はある。

それでも対応できないならあなたと愛犬は見せかけの同居人という関係でしょうな。

ももが逃げた時、Kはさっさと車に入っていった。
「だって私が顔を出したらももに遊び心が出ちゃうでしょ」
いろんな間抜けがあるがやはりKは私にとって最高の理解者である。
 


- Web Diary ver 1.26 -